だいじょうぶマイ・フレンド (集英社文庫)
だいじょうぶマイ・フレンド (集英社文庫) / 感想・レビュー
のっち♬
飛翔力を失いプールに墜落した男と出会った三人の少年少女。異星人だという彼は異様な味音痴で人工声帯アンプで会話し、くしゃみ一つで相手が吹き飛ぶ怪力の持ち主。映画脚本との並行執筆で小説スタイルを変化させ、「プロットのみで成立する科学冒険者怪奇小説」を目指した異色作。バックの影響はかなりのもの。キャリアの予見的な転換点とも見做せるが表題はファン宛かと思うほど。愛情と喪失、変化と不変、現実と幻想といった対比や愚直で優しいメッセージ性にエッジを効かせ、造形や展開の破天荒さに寓意を縦横無尽に注ぎ込む様はやはり村上節。
2024/01/02
hanchyan@だから お早うの朝はくる
ハイティーンの頃(笑)、自分をハメた作品のひとつ。何十年かぶりで再読。「コインロッカー」の次作がコレだったんだな!「テニスボーイ」の後だとばっかり思ってた。ちょっとびっくり。そう考えれば、輝かしいと言っても決して過言ではなかろう著者のキャリアにおいて、決して看過できない作品ではないか。少なくともコレ初読時の自分は、「やっぱアートよりかはエンタメだよな!!」て深く深くこころに刻んだものだ(笑)。またまた、初老男性が昔を懐かしむ感じになっちゃって甚だ申し訳ないのだが、大友克洋の「ひとコマの情報量の多さ」(↓)
2019/06/22
背番号10@せばてん。
1990年4月4日読了。83年公開の映画の主なキャストは、ピーター・フォンダ、広田レオナ(玲央奈、当時20歳)、監督・脚本:村上龍、音楽:加藤和彦。あらすじはもちろん、忘却の彼方。ただし、主題歌だけは、鮮明に覚えています。
1990/04/04
emi
ジャンルはSF…になるのかな。簡単に言うと、異星人と3人の若者が悪と戦う、不思議でちょっと突飛な作品。1983年初版だから、当時としては衝撃的な作品だったのかな。村上龍=カンブリア宮殿の司会者、の印象だったのでこんなタッチの作品が意外。ただ、作中に出てくる、悪の組織が作った食材を生産する工場で働く衛生人間たちの姿に、ふと気付いた事が。衛生人間は闘争心をなくすようにされており、感情も昂ぶらず、人から嫌われることを恐れ、不思議なほど他人を責めない。それはなんだか現代のマニュアル社会に似ているような気がした。
2014/11/07
こうすけ
コインロッカー・ベイビーズと、テニスボーイの憂鬱・愛と幻想のファシズムの間に位置する小説。映画の方は歴史的な駄作扱いされているが、読むことに意味があるのです。でも、序盤は面白かった。
2021/11/28
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