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眠りなき夜 (集英社文庫)

眠りなき夜 (集英社文庫)

眠りなき夜 (集英社文庫)

作家
北方謙三
出版社
集英社
発売日
1986-04-18
ISBN
9784087490961
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眠りなき夜 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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セウテス

谷弁護士二部作ー1弾。吉川英治文学新人賞、更に第1回日本冒険小説協会大賞に輝く。弁護士の谷は、同僚弁護士が失踪、関わったと思われる女が殺害され、独自に調査に乗り出す。しかし同僚弁護士も自殺に見せ掛けて殺害された上、犯人として指名手配されてしまう。谷は弁護士でありながらも、やられたらやり返す武闘派である。弁護士ものとは思えない、バリバリのハードボイルドである。本作は脇役もちょい役も含めて、何処か味の在る登場人物が良い雰囲気を出す、という特徴が在る作品だ。「心意気」そんな言葉が、沁々と滲んで来る様に感じる。

2017/01/06

GAKU

弁護士、谷の同僚が失踪。彼と関わりのあった女性が殺された。谷は真相を探るべく山形県S市へ。そこから谷自身がどんどんと事件に巻き込まれて行く。主人公谷も勿論良いが、ヤクザ、元探偵、バーテン、ソープの女と、彼を取り巻く脇役たちが、それぞれ良い味出しています。特に私お気に入りは順子と斉藤さんでした。そして今作でも老いぼれ犬高樹刑事が登場。当然物語の要となっています。北方ハードボイルド真骨頂の作品!あの内藤陳さんも大絶賛にて第一回日本冒小説協会大賞受賞作。引き続き弁護士谷シリーズ第二作へ!

2016/03/22

ペグ

北方作品初読。面白かった〜と言うか良かった。何よりも主人公、弁護士の谷は勿論、脇を固める人物たちの描写に無駄が無くそれぞれが一本筋が通っていて信じることを生きている。「斉藤さんは俺を信じてるってわけじゃないんでしょう?」「先生のことは、よく存じませんのでね」「だからって疑ってるわけでもねぇんで。あっしはただ、彼女がして欲しいと思ってることをしてやっただけなんです」神山知恵はいい男と巡り合った、そう思った。こんなかっこいい文章がこたえる。各章の終わりの一文も美しい。高樹刑事の「老犬トレー」の唄が聴きたい。

2016/03/23

ねこまんま

どっぷりとハードボイルド! 登場人物のキャラが良いねえ。 老いぼれ犬こと高樹刑事はもちろん、小川刑事もイイ。 だけど今作の最高脇役はタクシー運転手の斉藤さんだと思うの。 「先生のためってより、彼女(あれ)のために祈ってんですが」なんて50過ぎのおっさんのセリフかよ! そして、女性陣は、それぞれの男を本気で好きで、嫌な人が一人もいなくて感動した。 で、途中から谷が弁護士だったってことをすっかり忘れさせられる。 こんな武闘派の弁護士、おらんやろ!

2016/05/11

伊之助

物語の舞台、山形県S市が私の住む町の隣町であることは容易に察せられる。ただ、全体を読むとS市である必然性は感じない。愛知県の或いは徳島県のどこかの地方都市であっても物語は成り立つ。それでも、雪と灰色の空とその中を這いずるように白い波の行き交う日本海の海を備えた小都市が必要なことは確かのようだ。物語はこの条件の醸すイメージそのものと言ってもいいから。作者の初期の作品は粒揃いだ。

2017/11/02

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