処女連祷 (集英社文庫 97-F)
処女連祷 (集英社文庫 97-F) / 感想・レビュー
とし
有吉佐和子の初期作品。初めての長編らしいのだが、この人は本当に人間の裏側や女性の内面を描くのが巧い。後に書かれる『悪女について』の萌芽を見るようで非常に面白かった。半世紀以上も昔に書かれたとは思えない。まったく色あせてないのが凄い。
2014/12/19
ahchan_plus
不気味!こんな不気味な女がいるもんかと思うけど、女同士の世界にはいるんですよねなぜか。有吉佐和子はそういう不気味さを描くのがうまいと思います。
2013/08/18
kuu
余計な説明のない快活で愉快な小説だ。 ある解説者によると、編集者、教師、デパート店員、外資系の秘書、翻訳者という現代でも花形職業を設定しているところに作者の先見の明があり、エンターテイメントにストーリーを織り交ぜる妙のある数少ない”女流”作家ということだった。 戦後間もなく女子大を卒業する7人グループの話。7名のキャラがたっているようにも思えるが、中心となるのは、祐子(旧華族・翻訳家)と文代(教師)だと思う。祐子には、当時の男性が少ない、良縁に恵まれることが女性の幸せ、旧華族の衰退、といった時代背景を
2014/08/29
ミジェル
もう一度読みたい。
2012/10/20
takaichiro
裕子の様な女性は時折小説の中で描かれる。虚栄心の塊で、他人から見たら大嘘つきなのだが、個人は極めて現実を生きている。宮部みゆき「ソロモンの偽証」にも同じ様な心理の女子が描かれていた。とても面倒な存在だしモンスター化の可能性を秘める。昨今、多様性の視点から、一定の人生モデルから外れているキャラクターも受け入れる動きが加速している。社会の傾向として否定するものではないが、個人的にはある一定の価値観を共有できなければ、心からの交友はとても難しいと。あれ、何のことやら・・・
2019/05/04
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