12のアップルパイ (集英社文庫)
12のアップルパイ (集英社文庫) / 感想・レビュー
葉菜枝
編者が、最も高度なユーモア精神に富んでいると判断した12の短篇を選び収めた1冊。できるだけ、異なった種類のユーモアを選んだというだけあって、パロディ、シチュエーションコメディ、ブラックコメディ、風刺など多岐にわたっていて面白い。なかでも「最後の客」(生島治郎)は、ユーモアと物悲しい情感が混じり合って、深い余韻を残す好みの作品だった。「新婚山行」(新田次郎)は、真面目になればなるほど可笑しくなるという人間悲喜劇でインパクトがあった。
2014/06/14
aki
ユーモア小説というか、ユーモア精神のあるものを集めたアンソロジー。結構ブラックなものもたくさんある。新田「新婚山行」はユーモラスな語り口で進めていくので、この悲劇的な結末はよめんかったな。不安を感じたときは山には行ったらいかん。声を出して笑ってしまったのが筒井の人間パイ投げ「トラブル」。何度読んでもおもしろい。ギャグがエスカレートしていく豊田「地震がいっぱい」、小松「本邦東西朝縁起覚書」はさすがです。野坂「ああ水中大回天」はクライムストーリーの傑作。関西弁のねちっこい文章が、じわじわときます。
2024/01/15
NGtrtR
昔の小説だからコンプラ違反いっぱい。「地震がいっぱい」が1番面白かった。
2021/08/18
空猫
再読。[異形の白昼]からのアンソロジー2冊目だそうで。むっちゃ濃厚な内容です。小松左京山や星新一さんは言わずもがなですが、田辺聖子さんに三面記事的小説を書かせるとピカイチですねえ・・・何とも贅沢な一冊。
2014/02/26
ウメ
作家12人のアンソロジー。筒井氏の監修下であるからか、作家陣が半端なく豪華。しかもやっつけ仕事ではなくて、各々が自分のカラーを出して「負けへんで!?」的なぶつかり合いすら感じる。お買い得な一冊。
2011/09/21
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