湖北の女 (集英社文庫 14-Q)
湖北の女 (集英社文庫 14-Q) / 感想・レビュー
桜もち 太郎
琵琶湖の北辺で育った葛城浅子の半生を描いた物語。母親の淫らな血を引く自分に悩みながら生き抜いていく所は、水上勉らしさが光るところだった。男によって辛い思いをした時期、そして良縁に恵まれるが夫は戦士して失意に暮れる時期、亡き夫の父親との姦通。最終的には逃げるように出てきた亡き母との思い出の地に帰っていく・・・。逃げようのない宿命を感じる物語だった。
2014/01/03
芋煮うどん
不幸を絵に書いたような女性の一代記。近江長浜の渡岸寺にいらっしゃる十一面観音さまが、シンボリックに描かれているが、あの観音さまは確かにエロスがあるけど、不幸な女と重ね合わせるのには無理があると思う
2015/01/03
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