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空白の研究 (集英社文庫)

空白の研究 (集英社文庫)

空白の研究 (集英社文庫)

作家
逢坂剛
出版社
集英社
発売日
1987-03-20
ISBN
9784087491951
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空白の研究 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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キムチ

僅か5編の短編が入っているだけなのに、読むのにイライラ、疲れます。逢坂版、精神分析論の集大成。無論、専門家ではないので分析も寄せ集めだったり、がせネタだったり、誇大妄想だったり。とは言え男性がかくも性的妄想に苛まれ、日常、いや、人生までも破滅に至らすなんて!・・ありうるかも。表題の「真実・美醜・嫌悪・不安・空白」考えてみれば、何れも脳内でチリチリさせる要素を持った感覚なのだわ。男性のあれを楽器に擬えた2作、裁判資料を連綿と繋いで綴られているのが2作、類似作品は拙いかも。ダブって味わうとげっぷが出そう。

2015/10/20

ヨーコ・オクダ

百舌シリーズが「動」なら、こちらの作品は「静」かな?心理、法廷系の短編5本。いくつかの作品中に出てくる公文書的な記録や鑑定書の部分が読みにくいんやけど、それが終盤に読み手をゾワゾワさせるスパイスになっていたり…不思議な感じ。うちのお気に入りは「美醜の探求」買うた当初は表題作の方に興味があったんやけどねー。実際に読んでみると「美醜〜」の方が好みやった。作中の刑事も惑わされ、読み手のこちらも惑わされ…。惑わすテクニックよりも、根底にある人間くさい部分に上手いことやられたって感じかなー。

2018/02/28

あつ子🐈‍⬛

著者の作品は『カディスの赤い星』と『しのびよる月』しか知らないのですが、こちらもとても面白かった!ミステリ短篇集です。表題作も良かったけれど、連続殺人鬼の精神を描いた『美醜の探求』と車輪恐怖症の男の奇妙な顛末『不安の分析』が特に私好みでした。『嫌悪の条件』の軽妙な会話とスペイン風味が『カディスの赤い星』を思い出してまた読みたくなりました。とてもお買い得感のある一冊です。買って良かったー。

2022/06/15

あやっぺ

2個目のお話が怖かった。語り手が抗えない欲望におぼれていく感じが。そして語り手を客観的に見ることができないところが。全体的には精神科系のお話で難しかったけど。

2010/12/24

タマちゃん

百舌シリーズに触れ、逢坂剛にのめり込み始めた。かなり以前の作品だが、濃い。全部で5つの短編だが、どれも犯人と共犯者の駆け引きが面白い。公判と同じように所轄が作成した調書、供述調書、鑑定書などの形で展開されるものもあり、スタイルもバラエティに富んでいる。後のシリーズに続く祝田卓教授も登場し、さまざまな実験を試みる。いずれも最後の最後にどんでん返しがあり、ふんふんと読んでいると一杯食わされた感に苛まれます。

2015/11/07

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