嘘でもいいから殺人事件 (集英社文庫)
嘘でもいいから殺人事件 (集英社文庫) / 感想・レビュー
たか
新本格派の祖・島田御大が若かりし頃に書いた、貴重なユーモアミステリ。重厚シリアス路線が本領の御大だけに、読み始めは、普段生真面目な人が必死にギャグをやってるみたいな痛々しさも感じるが、徐々にユーモア感覚が馴染んできて、ついには笑えてくる。ラストはバカミスの一歩手前の大型トリックも炸裂し、ドタバタの果ての幕切れはちょっぴり切ない。80年代だからこそ味わえる、島田御大の違う側面が楽しめる作品だ。Bー評価
2021/12/11
勇波
いやーなつかし。。タックをはじめ今の島田御大からは想像出来ないようなかるーいキャラ達が大活躍。嘘でもいいからこんな新作また読めたらいいな★
2018/04/09
kagetrasama-aoi(葵・橘)
島田荘司氏の作品、長編第五作目。御手洗潔と吉敷竹史を読んだ後だと、呆気に取られる突然の軽いノリのユーモア・ミステリ。でも、ちゃんと本格なんですよね。そして、昭和59年の世相が垣間見えて懐かしく、面白く再読しました。動機がほんとあの頃らしいとしみじみ感じ入りました。
2023/04/30
なる
横須賀にある無人島・猿島に閉じ込められたテレビクルーの一行。猿島に伝わる不穏な伝説を聞いているうちに、やがて殺人事件が発生する。島田荘司といえば御手洗シリーズをはじめとした本格ミステリの巨匠であるイメージ。御手洗シリーズは読み応えたっぷりの作品なのに対し、この作品は180°違う作風になっていて拍子抜けする。作品の感じから1980年代くらいだろうか、時代の流行に合わせた軽薄な文章、めちゃくちゃなキャラクタ造形、本当にこれは島田荘司の作品だろうか。逆に言えば多彩な文体を書き分けられる巨匠すごすぎる。
2022/11/15
coco夏ko10角
どこかで「島田荘司が書くユーモアミステリー」と見かけて興味が湧いて手に。確かに今まで読んだ著者の作品の中では一番文章やノリが軽い。でもミステリ部分はちゃんと本格で、真相が明らかになる場面では「あーっ!」となってしまった。ミステリ小説のこの瞬間が気持ちいい。解説が好きな岡嶋二人なのも嬉しかった。
2015/01/04
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