朱夏(上) (集英社文庫)
朱夏(上) (集英社文庫) / 感想・レビュー
クロネコバス
宮尾登美子さんの自伝的小説。実家の商売が嫌で早く家を出たい綾子。19歳で結婚し、女の子を出産。嫁ぎ先の生活も好きでなく、いそいそと満州に渡る。今まで苦労らしい苦労をしたことのなかった綾子。好き勝手に振舞って白い目で見られているが、現代からみたら全く許容範囲。それが昭和20年春から初夏。読者として今後の引き揚げまでの状況は悪い想像しか浮かばないです。下巻に続く
2019/02/08
あきまこ
古びた単行本の方で読了しましたが、これから読む下巻が、読書メーター内で見つからないので、こちらの文庫本を読んだ記録に残しておきます。昭和20年前後が書かれていました。綾子の心の中の声、気持ちの移り変わりがきめ細かく書かれていて、とても集中して読みました。あっさりと結婚してすぐ出産して簡単に物語が進むように感じましたが、その後が短期間に激しく動きました。背を越すコーリャン畑、お腹の皮が背中にくっつきそうな程の飢餓、とてつもなく広い大陸での敗戦民としての生活。下巻に進みます。
2016/02/27
mitubatigril
再読 春燈に続く綾子の物語の第二部。 戦争の悪化に世の中は暗くそのような中で綾子は勤め先の学校の同僚になる要と結婚し子供を授かる。 夫と共に満州に渡った綾子は描いていた生活とは違って驚き不安を感じながらも持ち前の傍若無人な性格が幸いしてなんとか暮らし行くが… 戦火は近づきも分からないままある日突然終戦を知る。これまで抑えつけられていた満州人に襲われ命からがら一部の理解ある満州人に助けられるが一息つく間もなく日本に帰る為の難民生活が始まって行く。下巻に続く。
2020/04/17
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
宮尾登美子の自伝的小説。終戦後の大陸からの悲惨な引き揚げについて。テレビドラマより、ずっと面白いぞ。
2015/02/18
kaizen@名古屋de朝活読書会
集英社文庫のナツイチ、2008夏の一冊に選ばれていました。 中国から引き揚げてきて人の自伝的私小説と言われています。 「櫂」、「春燈」との三部策。 時代的な背景を理解していない自分にとっては日本の歴史としてこういうこともあったのかという視点。
2009/05/07
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