優しくって少しばか (集英社文庫)
優しくって少しばか (集英社文庫) / 感想・レビュー
そる
10代の頃以来の再読。表題作は少し内容覚えてた。33年位前の短編集だが、当時のトレンディドラマのような、オシャレでカッコつけてるのに傍からみたら滑稽な感じ。ミステリアスな話、色々感情が渦巻く中絶の話、狂気的な話など全てが男女間の会話で進む。古いのに小説の技術は先進的な、バカップルの不毛な会話を聞いたような呆れ感?「ああ。やだなあ"愛しあう"とか言うの。いきがかり上どうしても言わなきゃならなくなっちゃたわけだけどぼくは実は嫌でたまらないんだこの言葉って何かこう実体もないのにやたら氾濫してるじゃないか(略)」
2020/12/10
そる
読んだのは高校か、専門学校の時だと思います。当時原田宗典さん結構人気だったのでいっぱい売ってました。今もブックオフにはその名残なのかいっぱい置いてますね。残念ながらこれも内容はほとんど覚えてなくて、表紙とタイトルは分かるので多分読んだとは思うけど、もしかしたら買うのに悩んだだけかもしれない⋯。なんとなくいい話だったなーと思った気がする。
にいにい
原田マハさん祭り継続中で、またまた、お兄さんの原田宗典さん。6篇の短編集は、宗典さんの初めての作品集らしい。男と女の微妙な関わり方を主に二人の会話で綴る。男にとって、女の不気味さ、怖さが溢れている。他方、女にとって男が分かりやすい存在となっている。作者も読者も男だからそう感じるのかな?短い文章の中に深い余韻を残しながら女の不気味さが迫ってくる。こわ~ぃ1冊。宗典さん面白い。マハさんの魅力の一端を共有しているなぁ。表題作が一番好きだけど、不気味さもいいなぁ。
2014/05/07
みち
エッセイだと思って読んでいたら、小説だった!勝手に勘違いですが(笑)最初の作品は句読点がなく、わざとなんでしょうが、読みにくい。どれも男女間の緊張感があり、男性の思考が、ずっと書かれている感じ。最初の作品以外は、わりとホラーでゾワっとしました。話は古典的。
2020/06/13
みっちゃんondrums
本棚に並べてある原田さん本、急に表題作を読みたくなって、久しぶりに手に取った。付き合って2年の20代同い年カップルの、二人で風邪をひいた平日一日の、男の側の心の声を、一見だらだらと書いたような、でもほのぼのする中編。倦怠期でもあるが、主人公は彼女のことを大好きなのが伝わって、初めて読んだ当時も今も、羨ましいぞ、彼女。原田さんはきっとボーイッシュな見た目の、気の強いしっかり者が好きなんだろうと思ったな。当時は読点のないのが新鮮だった。表題作以外は、ゾクッと怖い、男と女の技巧的な短編小説たち。
2018/08/06
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