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花衣ぬぐやまつわる… 上 わが愛の杉田久女 (集英社文庫)

花衣ぬぐやまつわる… 上 わが愛の杉田久女 (集英社文庫)

花衣ぬぐやまつわる… 上 わが愛の杉田久女 (集英社文庫)

作家
田辺聖子
出版社
集英社
発売日
1990-06-20
ISBN
9784087495874
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花衣ぬぐやまつわる… 上 わが愛の杉田久女 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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優希

女流文学賞受賞作。女流俳人杉田久女の半生を描いた物語です。高級官僚の娘として生まれ、何不自由なく過ごしてきた中で、東京芸術学校に入学したことが運命を変えることになったのですね。貧しい暮らしの中、俳句を始めたことで『ホトトギス』や高浜虚子と出会ったのですから。拙く始めた俳句の才能がいかに花開いていくか。下巻も読みます。

2018/06/09

ひらちゃん

本当の久女を知って欲しい。そんな田辺聖子さんの声が聞こえてきた。捻じ曲げられてきた真実からは、真面目でのめり込みやすく不器用な生き方しか出来ない杉田久女が浮かんできた。一方で女性歌人として精力的に活動するが故の誤解、夫との確執、家事にとらわれる時間。どれをとっても息詰まる想いを抱えている。ここまででもようやっと読んだ。この先にまだ続く先にももっと起こりそう。折角出せた『花衣』。どうしてしまったか。読むのが辛い。

2021/09/14

Ayako Moroi

俳句は不勉強で、杉田久女の句も「花衣ぬぐやまつわる紐いろいろ」「谺して山ほとゝぎすほしいまゝ」くらいしか知らなかった。自己表現をしたい女性とその夫との確執。目の当たりにした娘が「地獄でした」と語るほどの激しく冷たい闘いを思うと哀しい気持ちになる。この評伝は、ねじ曲げられた杉田久女像を一掃したという意味で価値があるし、女性の生き方を考える上での問題提起にもなっている。一方でまた、真面目すぎて敬遠されがちな久女にも問題はある(田辺氏は「業」とする)。不器用な人だったのだ。

2014/05/15

Gen Kato

再読。皮相的な「悪」のレッテルを貼られ続けてきた女流歌人の生涯の「伝説」を引きはがし、真実の姿を追っていく。田辺聖子先生の評伝ものの最高峰(私見)。

2014/11/28

りゅっく

女性俳人杉田久女の人生を振り返った作品。彼女の人生とその時々に読んだ俳句を振り返りながらノラにもなれずの俳人と母親を両立して苦悶した彼女の前半生。まるでキャンパスを、1枚の写真を切り取ってきたかのような美しい17文字に収められた言葉のマジックに素人の私でも衝撃を受けました。

2017/06/18

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