風の聖衣 挑戦シリーズ3 (集英社文庫)
風の聖衣 挑戦シリーズ3 (集英社文庫) / 感想・レビュー
GAKU
挑戦シリーズ3作目。再読。『檻』の村沢と『牙』の石本が再登場。ペルーで竜一と闘うことに。結果、村沢は自身の”檻”から抜け出すことが出来たのか?石本は更に”牙”を研ぎ澄ませていくのか?そして要所、要所に流れる「老犬トレー」のメロディー。登場はしないがあの”刑事”の存在感がここにも。北方ファンにはたまらない1作です。⇒
2017/12/06
はつばあば
「老犬トレー」を口ずさむ3人の男。選りによってペルーまで来て日本人同士がなんで殺しあわねばならないのか。高城は何を思って彼らを外国に放ったのか。アキと竜一・・あまりに多い同胞の、決してきれいな死に様ではない死を見過ぎた。日本では牙を無くしてしまう?ゲリラ・・以前は南米。今はIS。バカな輩がIS戦士になろうと渡航したがる。過去も現在もなんら変わりない争いに明け暮れている。死なんてものはポコンと一瞬で迎えられるものではない。痛み、死への恐怖、のたうち回ってやっと訪れるもの。畳の上で死を迎える事が如何に幸せか
2016/03/17
せ〜ちゃん
★★★★★ 挑戦シリーズ 3作目。
2016/07/09
アオヤマ君
挑戦シリーズ「風の聖衣」は、「檻」と「牙」この二冊を読んでいる前提で読むのをおすすめ。特にハードボイルドの傑作「檻」とのつながり。竜一以外に村沢、石本という日本人がペルーを舞台にそれぞれの生き方を強烈に、時には淡々と模索。生きる、戦う。アキを中心としたインディオの生き方。ペルーの町、インディオの村。風。戦術や戦闘。個々の闘い。老犬トレーの旋律。インディオの村での竜一の日常生活の場面がいい。読後にタイトルが滲み入る。
2024/02/22
よこ
何者にもなれない村沢の悲しみは決して癒えることはなかったろう。結局は破滅的な道を選択するしかない。。村沢はそういう種類の人間だと思う。彼に竜一のような守るべきものがあったら、これほどの悲劇は生まれなかったろう。何代にもわたって悲しみの中を生き抜いてきたインディオ達。彼らの、思想以上に尊い細やかな願いと絆は、さらに村沢を追い込み、彼を孤独な檻に閉じ込めたんじゃないかな。村沢はペルーに来ちゃいけなかった。。と真面目に考えてみる。男達の内面の繊細さが胸に迫り、圧巻の死闘場面を哀しく読ませる素晴らしさ!
2017/10/28
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