切り裂きジャック・百年の孤独 (集英社文庫)
切り裂きジャック・百年の孤独 (集英社文庫) / 感想・レビュー
しんたろー
有名な未解決事件『切り裂きジャック』を島田さん流の解釈で切り込んだミステリ…一言で紹介すればこういう事だが、事件当時のロンドンと100年後のベルリンを交互に描きながら、段々とリンクしてゆく過程が巧み!構成の妙に唸った。伏線をフェアに張っているので、種明かし前に犯人が判ってしまったが「なるほどなぁ」と感心する論理展開や犯人にも感情移入できる状況設定も素晴らしい。舞台が外国という事もあって、30年以上前の作品なのに古臭さは少なく、推理ゲームを楽しめた。グロい描写が多々あるので、苦手でない人にはオススメしたい♬
2019/11/18
chiru
19世紀末に犯罪史上に名を残した『切り裂きジャック事件』から100年後、ベルリンで起きた連続娼婦殺人事件。 前事件との類似性が明らかになっても謎は深まるばかり。 ふたつの事件の謎解きは、思わず「なるほど!」と言ってしまうほど鮮やかなQED。 随所に張り巡らされた伏線がひとつに収束され、隙間なくピースがはまった真相は、絵画的イメージを想起させ、とても美しい。 未解決事件というもっとも悩ましく魅力的なアイテムを、アイデアやミスリードで膨らませた、作者のロマンを感じる物語。楽しかったです。 ★4
2018/07/30
みゆ
おもしろかった~ヽ(^o^)丿 19世紀のロンドンを震撼させた切り裂きジャック。100年の時を経て冷戦下の西ベルリンに甦る。リアリティのある筆致と淡々と続くグロ描写に実録犯罪小説かと思ってしまいました(^-^; しかし後半からテンポアップ!探偵役の推理披露面白かったです。島田さん流の切り裂きジャックの真相論に拍手(^^♪
2019/10/27
たか
1888に起きたロンドンの『切り裂きジャック事件』を模倣するかのような事件が、その100年後のベルリンの街で発生する。100年間に渡る二つの事件を、クリーン・ミステリなる人物が解決していく。 途中から、犯人と動機がわかってしまうのが難点だが、それでもミステリの面白さは変わらない。 御手洗潔の海外特別版であり、シリーズファンにとっては見逃せない。B評価
2017/12/06
ピッポ
【再読】切り裂きジャック事件の100年後、1988年のベルリンで類似の事件が発生する。ベルリンの連続殺人事件の随所に切り裂きジャック事件の詳細を挿入することで、2つの事件をリンクさせながらストーリーが展開していく異色作。島田流切り裂きジャック事件の真相は説得力があって面白かった。
2017/07/05
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