怪しい交遊録 阿佐田哲也の (集英社文庫)
怪しい交遊録 阿佐田哲也の (集英社文庫) / 感想・レビュー
ホークス
亡くなって30年。含羞の人であり乱世が生んだ人で、幸運が無ければ博打で死んでいたという。半自伝の麻雀放浪記、博打物、エッセイが好きだ。本書は友人知古の話。語りはあくまで穏やかだが、五味康祐や芹沢博文ら故人を語る時、生き様を刻み残そうとする執念が感じられる。畑正憲や長門裕之ら友人に対してもベタつかず、アウトローの友情を思わせる。水森亜土の不思議な色気をはにかみながら語る所などは可愛い。今の物差しで許せぬと言う人が居ても良い。今生きている命は確かに尊い。しかし「今が正しい」訳ではない。人の値打ちは別にある。
2018/03/21
gtn
著者は全盲の歌手長谷川きよしとも雀友である。長谷川は麻雀のみならず、タクシーの運転手に道先案内できる大変な盲人だが、一度でいいから「人間て、どんな格好してるんだか、知りたいな」と言い、著者をどきりとさせる。人それぞれの世界があり、互いに共感・共存することが大事ということか。
2018/10/08
hirayama46
阿佐田哲也の作家・麻雀・役者など様々な交友関係を綴った一冊。タイトルは「怪しい~」となっていますが、阿佐田哲也自身はベタつかない、ドライで手広い関係性を持っていることが多いこともあり、たいへん真っ当で怪しさはあまりないですね。どの関係も風通し良く爽やか、という感じです。しかし、大山のぶ代の項で、当時ジャズ喫茶をやっていた村上春樹の店に行って手作りのチーズケーキを食べたという記述があってたまげました。そんなデビュー当時からつながりがあったのか……。
2020/11/13
いい日
3時間で読了。阿佐田哲也さんが知人について語るエッセイ集。交友関係の広さが驚き。知っている人の話だと特に興味深いです。ジャズ関係にも造詣が深いので、当時ジャズ喫茶を経営しながら小説を書いていた村上春樹と面識があったというのが驚き。でも、1989年まで生きていたので、そりゃそうかとか思ったり。文章で描かれている風景とか会話のノリを読んでいたら、この人は歴史上の人物のように思ってしまいます。(この本が書かれた当時から)30年もたつと、本当別世界のように感じてしまいます。そこが魅力か。タイムスリップ出来るのが。
2010/10/21
taka
交友関係が広い。遊びたい気持ちが抑えられていないのがいい。沖縄に住んでいて連絡受けたその日に東京に来る感じがいい。
2020/03/28
感想・レビューをもっと見る