いちご同盟 (集英社文庫)
いちご同盟 (集英社文庫) / 感想・レビュー
zero1
【どうせみんな 死んでしまうんだ】そのとおり。だから人は【生きた証】を残そうとする。そして限りあるからこそ命は輝く。解説にもあったが、自分は物語のどこに存在している?野球部のエース徹也から試合の撮影を頼まれた良一。その映像は入院していた直美に見せるものだった。人は忘れるようにできている。そうしないと生きられない。でも、良一は直美のことを忘れない。良一の目線なら、「なぜ生きるか」という問い。「15歳の時に読みたかった」という人は、直美の父親の目線で読むといい。再読でも色褪せない。
2019/02/15
遥かなる想い
リリカルな小説である。15歳(いちご)のころ、自分は何を感じ、どう生きていたのか記憶にないが、現代に生きる子供たちもぜひ一読したい一冊である。
2010/05/03
HIRO1970
⭐️⭐️⭐️またまた子供の本棚から拝借。すっかり味を占めてしまいました。最近は自分が選ぶのよりセンスが良いのではないかと思い始めたりもします。もちろん子供は部屋に入るのを嫌がります。三田さんの著作初めて手に取りました。文句無しの名作でした。作品の世界に浸りきってしまい、当時の世間知らずでチョットしたきっかけで一喜一憂して、上手く自分の波に乗れると直ぐ有頂天になってしまった事等もあり有りと思い出しました。読後には何故か久しぶりに尾崎豊の唄がしばらく頭の中でリフレインしていました。気持ちいい本です。
2014/12/18
優愛
四月は君の嘘のオマージュだと聞いて。ピアノを傍に生きる良一、病気に苛まれベッドの上で生活をする直美、直美を誰よりも知る野球少年徹也。ある日、直美が良一に言った「あたしと、心中しない?」どうしてだろう。人の生や死、恋愛、友情と心動かされることばかり詰め込まれた話なのに、ただただ静かに物音一つ立てないように彼等の日常が流れていくのは。十五歳…一見まだ子供のようで、でも実はすごく大人びている。そんな彼等の間に結ばれた同盟が百年先まで続きますように。直美の言った「好き」の二文字がずっとずっと響きますように。
2014/11/06
hit4papa
生きていくことに希望を見出せない15歳の少年が、死に直面した少女との触れあいから、命の意味を見つめ直していきます。二人の無言の会話は、彼らの苦悩とすれ違いと和解を絶妙に表現した名シーン。愛と友情と死の物語です。
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