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ラッフルズホテル (集英社文庫)

ラッフルズホテル (集英社文庫)

ラッフルズホテル (集英社文庫)

作家
村上龍
出版社
集英社
発売日
1992-07-25
ISBN
9784087498288
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ラッフルズホテル (集英社文庫) / 感想・レビュー

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Hideto-S@仮想書店 月舟書房

「お前はジャングルに咲く蘭のようだ」。女の胸に男の言葉がリフレインする。耳の裏側に自分だけの世界を持つ〈女優〉。元戦場カメラマンの男。男にとって〈聖域〉だったベトナムでの体験を女優は易々と踏みにじる。彼女にとって生きるとは演じる事。シーン〈30〉、カット〈2〉、テイク〈1〉。時にはシャーロット・ランプリングのように、時にはエヴァ・ガードナーのように。とても敵わない。男はシンガポールに逃れる。すべてを捨てて追跡する女優。ホテル〈ラッフルズ〉に部屋をとり、男を捕らえるための糸を吐く。部屋中に蘭の花を咲かせて。

2015/02/18

シュラフ

「もう一人のあたしはジャンヌという名前で世界一寂しいリゾートにある小さいが恐ろしく高級な病院に入っているフランスとイタリアの混血女性だ・・・あたしはジャンヌではないが、ジャンヌは彼女自身であるととともにあたしである」。女優の萌子は男を追ってシンガポールまでやってくる。絶世の美人なのであるが、精神分裂症の気があるようで、彼女いわく耳の裏側の世界があるという。言うことやることが支離滅裂なので、男は彼女に恐怖する。実際の世の中でもこういうぷっつん女はいる。ぷっつんしているのは、もうひとつの世界があるからなのか。

2018/07/08

かわちゃん

W村上再読年間。龍さんの描く男性像は一見精神的に筋肉質な男に見えるのですが、儚く繊細に見える女性像の方が、圧倒的に生命力と狂気を抱えてること多いなと。この自作の映画のノヴェライズにも、その男女像は色濃く見られ、ある意味では女性への畏れみたいなものも、垣間見えるのは龍さんの原体験なのだろうか。(備忘録 4)

2020/01/29

こうすけ

それほど…だったけど、狂人描写はさすが。語り手の移り変わりは『ライン』のよう。

2022/01/08

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

「お前はジャングルに咲く蘭のようだ」。女の胸に男の言葉がリフレインする。耳の裏側に自分だけの世界を持つ〈女優〉。元戦場カメラマンの男。男にとって〈聖域〉だったベトナムでの体験を女優は易々と踏みにじる。彼女にとって生きるとは演じる事。シーン〈30〉、カット〈2〉、テイク〈1〉。時にはシャーロット・ランプリングのように、時にはエヴァ・ガードナーのように。とても敵わない。男はシンガポールに逃れる。すべてを捨てて追跡する女優。ホテル〈ラッフルズ〉に部屋をとり、男を捕らえるための糸を吐く。部屋中に蘭の花を咲かせて。

2013/02/02

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