軍歌「戦友」 (集英社文庫)
軍歌「戦友」 (集英社文庫) / 感想・レビュー
犬養三千代
井伏鱒二。。山椒魚と黒い雨しか読んだことは無かった。この本に出逢ってまだまだ読みたいと思った。 多甚古村は駐在さんの日記、様々な人物が小事件とともに描かれる。 遥拝隊長は戦争で狂った人物、戦争は情けないってね。丑寅じいさんも戦前の話。軍歌「戦友」だけが戦後。それにしても語彙、ボキャブラリーの豊富な作家さんだ。時々辞書のお世話になった。
2019/04/20
さっと
「多甚古村」「遥拝隊長」「丑寅爺さん」「軍歌「戦友」」収録の短編集。初読は、「多甚古村」「軍歌「戦友」」。駐在の目を通して庶民の日常を描いた「多甚古村」が抜群におもしろかった。電話が隣の役場にしか通じてなかったり、自転車をきーこきーこやりながら現場に駆けつけたり、ほのぼのという言葉がぴったりとくる。「遥拝隊長」「丑寅爺さん」は、ほかの短編集にも収録されているぐらい、井伏さんの短編の中では代表的なのだと思うけど、個人的にも好きな一編なので、本書の組み合わせは非常に良かった。
2013/12/11
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