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十八歳、海へ (集英社文庫)

十八歳、海へ (集英社文庫)

十八歳、海へ (集英社文庫)

作家
中上健次
出版社
集英社
発売日
1980-07-19
ISBN
9784087503340
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ジャンル

十八歳、海へ (集英社文庫) / 感想・レビュー

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中上が18~23歳の間に書いた作品をまとめた最初期の短編集。思春期の若者たちの暴発しそうな生を描いた『十八歳』、紀州サーガの元となる『眠りの日々』などどれも素晴らしく、土俗的、肉体的、と形容される中上文学の源流を垣間見た。中上の作品からはいつも音がする。紀州の路地での荒くれた青春時代だけが人生の総量だった若き作家の下手くそで荒々しい文章は、熊野川を流れる水の音、太平洋に屹立する波の音、セロニアス・モンクの不協和音を表現する。釣られて、川の群青と空の群青に溶けてゆく若者たちの汗や精液が、脳内で像を結んだ。

2014/11/30

メタボン

☆☆☆ 散文詩としてとらえた場合、私の評価は「海へ」よりも、「JAZZ」の方が高い。純粋に言葉のリズムに浸れるからだ。ただし海に向かって解き放つ大いなる射精という比喩は凄い。「愛のような」で執拗に出てくるユビというペッティング・ペットのイメージがぶっとんでいる。「眠りの日々」は中上健次の生涯のテーマである新宮の土着性が興味深い。全体を通じて「精液」の比喩が多いのは、若さゆえか?若さは、あまりに酷すぎる。

2017/04/28

501

若い精液の臭いに満ちた短編集。自分の身体や社会のリアルに気づき始め、それらの刺激への処理方法が確立されていない、そんな年頃の感覚を思い出す。著者の作品は2冊目。読まねばの作家が増えた。

2017/10/09

JUN

彼の作品を読んだのは3~4作目だと思うが、一番理解に苦しんだ。後から知った事だが、この作品は著者の初期の頃の作品を集めたらしく、特に「海へ」が難しかったが、同時に一番良かった。彼のセンスが詰まっている感じがした。

2015/01/27

イシザル

音楽好きな中上健次が書いた「JAZZ」。リズムのいい詩から、拍子を変えたり飛ばしたり、二十代前半の男子の卑猥な下ネタや思春期、中高生の唄うような歌謡曲ロックの青っぽさで JAZZ感を出している。 二十代前半でよく書いたもんだ。才能ですね それでも200ページ未満、 あの勢いで1600ページにも及ぶ「逆光」に驚き 堪能しようとおもう セロニアスモンクでも聴きながら

2016/11/05

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