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嫉妬 (集英社文庫)

嫉妬 (集英社文庫)

嫉妬 (集英社文庫)

作家
森瑤子
出版社
集英社
発売日
1984-01-20
ISBN
9784087507058
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嫉妬 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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じいじ

長期の海外赴任から帰国した夫婦の物語。妻は淡い海外生活の想いから、なかなか抜け出せないようです。東京での生活への不満、住む家の問題トラブル、さらに娘の教育…と次から次へと問題が発生。そんな円満に見える夫婦に、悪夢の一瞬が訪れます。後悔しても遅い、夫の失言が…。「ボクには、好きな女性がいるんだ…」と。妻の「嫉妬心」が目を覚まします。「嫉妬」は、その程合いに個人差ありますが、男も女もするでしょう。作者の森さんは、男の心内は見通していらっしゃる。小説としては、面白く読ませていただきました。

2021/10/14

ねこまんま

新婚ならともかく、かなりの年月が経ってから発覚した夫の浮気に、ここまで女としての嫉妬のみに心を狂わせる麻衣がちょっと羨ましい。妻としての今までの自分を否定された苛立ちや、軽く見られたり、周りに同情されることによる怒りならわかる。経済的に自立している女なら離婚するだろうし、逆に夫の稼ぎがいいのなら、夫を財布として諦めることだってできるだろう。そのどれでもなく、ただただ嫉妬に狂うというのは要するに、惚れているからではないか。

2016/08/04

団塊シニア

切なさが伝わる一冊である。主人公の揺れ動く繊細な心の葛藤、まるで嫉妬は愛のもう一つの情熱といわんばかりの夫に対する気持ちが伝わってくる。恋が冷めた後も延々と続く結婚生活を見事に表現した作品である。

2012/07/09

しいらかんす

立ち読みで読了。ぱらぱらと読んでいくうちに、いつの間にか最後まで読んでいた。夫が、しかも自分の知っている人と浮気している。考えただけでもイライラする。でも、大人になるにつれ許さなければならない事も多くなってくる。家族がある。子供がある。両親がいる。世間体だってある。次に誰かと出会う事はもうないかもしれない。・・・なんて、夫も子供もいないけれど、いろいろと考えてしまった本だった。

2014/05/06

けいこ

海での事故で疲れ果てた夫を介抱する為に駆け寄った妻に夫は「ほかに女がいる」と告白する。なぜ今?もうその時点で私なら帰るけど。その後、何事も無かったように振る舞う身勝手な夫に、相手は?歳は?と詰め寄り、罵る気持ちはわかるけれど、長年連れ添った、しかもこんな身勝手な夫にそこまで嫉妬する程の愛があるなんてと思う。知らなくていい事を知ってしまった時、今までの平穏な日常がバランスを崩す。蓋をしていた心の内が溢れてしまう様が洗練された描写でこちら側に迫ってきた。

2020/01/13

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