ルクレツィア・ボルジア 上 (集英社文庫 205-A)
ルクレツィア・ボルジア 上 (集英社文庫 205-A) / 感想・レビュー
韓信
ルクレツィア・ボルジア評伝。近親相姦に淫した白痴的美少女という古典的な印象を払拭する、性的に放恣ではあるが、実務家として有能だったというルクレツィアの生涯を、父アレッサンドロ6世や兄チェーザレの野望、イタリア全土からスペイン、フランスまでをも含んだ国際政治の渦中における立ち位置にまで目配りして描く、上下巻700頁超の大作。作家的想像に任せて筆を走らせている箇所も多いが、流麗な筆致でボルジア家の盛衰を描いて読み応え充分。底本が半世紀近く前なので、現在ではボルジア家への評価も変わっているのだろうけど。
2021/03/14
テツ
時代と、そして父と兄に翻弄され政争の道具として流されながら生き、そして死んでいったルクレツィア。悪女だという評価だけれど、良くも悪くも巨大すぎ、有能すぎる肉親に囲まれて生きていたら、この時代の女性はこう生きるしかなかったんじゃないだろうか。普通の庶民の、下級貴族の家に生まれていたら、類まれなる美貌も道具として扱われることなく、もう少し違った生き方ができたんじゃないかなあと、悪女というよりも翻弄されたゆたっていた哀れな少女にしかどうしても見えない。
2012/10/31
みとと50
結局、時代に流されていっただけの人なのかな。 余りにも巨大な父や兄に恵まれると 単なる道具でしかありえない生き方を選択せざるをえないんだろな。
2012/06/15
秋乃みかく
★★★★★
2009/11/20
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