舞姫 (集英社文庫)
舞姫 (集英社文庫) / 感想・レビュー
奥澤啓
鷗外「舞姫」草稿、跡見学園女子大が4644万円で購入の報道。「跡見学園女子大は28日、文豪・森鷗外(1862~1922)の第一作で教科書などで広く知られる小説「舞姫」の自筆草稿を取得したと発表した。原本には流通している複製があり、現行の本文との異同は既に知られているが、毛筆の筆致から当時の鷗外の心情を推し量るなど、近代文学資料として第一級の価値があるとしている。同大は今秋にも文京区立森鷗外記念館で公開する」(「時事ドットコム」、2015年4月28日より)
2015/05/31
いろは
『舞姫』『普請中』『妄想』『雁』からなる4部作。「私、森鴎外苦手なんですよねぇ。」と本格的に口にするその前に、代表作を読もうと思い、この作品を手に取った。哲学と文学の融合。哲学がちょこっと好きな私は、森鴎外の作品のそんなところがお気に入りなのだけど、やはり、文体が読みにくい。しかし、『舞姫』以外は現代的な文体だから、読みやすかった。解説は、「日本の近代文学には、漱石型と鴎外型という分類があるようだ。」という文章から始まり、最初の方は漱石と鴎外の比較が見受けられるが、私は漱石型が好きだと確信できて良かった。
2017/12/27
frosty
教科書に全文載ってたからそれを読んだ。前に森鴎外の高瀬舟を読んだことがあるのだけれど、結構楽しめたから、今回も期待していたのだけれど、ちょっと読み進むのが苦痛だったかも……豊太郎さんは好きになれないかも。相沢さんの方に賛成かな。でももう少し違うやり方があったんじゃないかなぁ? 人を憎むのは勝手だけど、全ての責任を他者のせいにして、他人にその責任を押し付けてしまうのなら、私は、その人に他者を憎む権利はないと思う。
2015/08/05
石橋陽子
森鴎外といえば舞姫と即答出来る知名度だがストーリーは全く知らず初めて読んだ。ノリタケの装丁で軽い気持ちで読み出したがまさかの古文。注釈を用いながら苦戦して読了。エリートである豊太郎がベルリンでドイツ人のエリスと恋仲になり社会的地位と恋愛を天秤にかけるお話。貧困であるエリスがお金目当てで近づいたとも思えるし、当時の男性社会は勿論立身出世が最重要でそこに恋愛がどう絡むのかが面白く、また森鴎外自身の自伝的要素も少なからず入っており色々な面で楽しめる作品。身重なエリスを取っても仕事が無ければ生きていけないのが現実
2024/11/14
貴
「美しき、いぢらしき姿」言葉がとても、美しく切ない。
2022/12/19
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