地獄の季節 ランボオ詩集 (集英社文庫)
地獄の季節 ランボオ詩集 (集英社文庫) / 感想・レビュー
優希
繊細さと強さの内在する言葉が美しいですね。全ての感覚を使って、魂をこめて試作をしたと思わされます。組み合わされた言葉の正確で研ぎ澄まされた感覚が、全宇宙の象徴と言ってもいいような成立になっているように感じました。時に文章のように散文となり、ときに唄うように韻文になる詩の世界が素晴らしいです。彗星のように言葉を紡いでいった天才詩人による全ての世界にただただ魅了されるだけでした。
2014/08/12
拓也 ◆mOrYeBoQbw
詩集。粟津則雄訳。『地獄の季節』全編、『イリュミナション』全編、それと韻文、散文が収録されています。17歳から20歳ちょっとまでの4年ほどの詩人としての活動で、文学に強い影響を与えたランボーの主要作品が読めます。ロマン派とランボーらの所謂象徴主義の区別は難しいですが、ポーなどを経て、ランボーが自然で現実的な感覚よりももっと遠くの”何か”を目指した、その爪痕が感じられる作品です。更に後のモダニズム詩(T.S.エリオットの『荒地』など)へ強い影響を与えたのも感じられますね。まずは深く考えず読むのも楽しいですー
2016/06/24
速水こもみち
私にとっては難しい本でした。自分の中でどう読んでいいのかわからないまま、とりあえず読了しました。ただ、また読み直してみたいと思うのは、わからないなりにも何か、私を引き付ける”魅力”があるからに違いありません。
2016/01/13
蝉海
初めてのランボー。余りにも有名なので、どんな人なのかはある程度知っていたが、まともに読むのはこの本が初めて。肝心の内容であるが、時々目を見張るようなセンス・イマジネーションを発揮する傍ら、野暮ったい記述が延々と続くこともある。このムラの多さが、「早熟の天才」と形容される所以なのだろう。一人称が「おれ」というのは、ランボーの風采や人となりに合っていて良いと思った。
2013/10/31
donky
読みはしましたが、その感想を要約する力がありません。ただ感情を投げつける激しさ、孤独をものともしない攻撃性が心を打ちます。旅する魂、純粋さ、繊細さに詩の美しさを抱きます。「酔いどれ船」の異邦感が素晴らしい。流麗でみずみずしい言葉も溢れていますが、それを安易な調べや思索や感傷にしない余韻。何度も読まないと、そのストライクは掴めない気がします。
2015/05/05
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