夢十夜・草枕 (集英社文庫)
夢十夜・草枕 (集英社文庫) / 感想・レビュー
さっとる◎
いくつ夜を通りすぎようとも只只暗いだけである。「ああもう朝は来ないのだな」諦念した時に「それは夢だよ」と声がしたのでこうして目覚めることができている。暗い中に二十の己、二十八の己、三十三の己と幾つもの己を見続ける行為の中で無は露とも薫らず諦めからの怒りやら恐怖やらが育ってしまって絶望はより深く重くなった。もう少しで身動きがとれなくなるところであったよ、ありがとう。礼をしようと頭に手をやれば、あるはずのパナマがないのである。起きているあの私は屹度パナマを被った男子であった。終わらない夢と現はどこが違うのか。
2019/11/25
優希
夢と幻想を描き出す『夢十夜』に酔いました。何度読んで大好きな作品です。芸術や美を求め、情緒あふれる『草枕』も美しい。この世とは違う世界に誘われる2編はとにかく美しく、体にスッと入ってきます。名作ですね。
2024/02/15
かいちゃん
夢十夜は、ぞわぞわってなって面白かった。こういう怖さって、なんだかぞくぞくするわ。草枕は、僕には高尚すぎて文字づらを読んだだけで、なかなか理解できないところも多かった・・・・
2019/02/26
プリン
「図書館の神様」の中で垣内君のお薦め小説が『夢十夜』だったので是非読んでみたく手に取りました。想像と違い文学的な表現なので内容を理解する事が難しかった。こんな夢を見た。から始まる十の物語は物悲しくも不思議な世界。『草枕』は100年以上も前の文学で言葉も表現も今とは違うので理解するのがもっと難しい。画家の彼が旅先で出会う人々。俗世間の中でのいろいろな驚き。後に那美さんの表情をきっかけとして画家として極めるのでしょうか。これを読んでいた垣内君に脱帽です
2022/10/13
森の三時
第一夜は前から知っていて続きも読んでみようと夢十夜を読みました(草枕は別の本で読了済)。なんだか不可思議な話が多いけれど、夢ということだから場所や時間の制約に従う必要もなく美しくも怪しく成り立つ。私の見る夢も、縦横無尽に意味不明な展開のときがあり、起きたとき夢占いで調べたりするけれど、本当だろうか、なるべく吉凶は気にしないことにしている。
2023/09/16
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