海に霧 寺山修司短歌俳句集 (集英社文庫 て 2-1)
海に霧 寺山修司短歌俳句集 (集英社文庫 て 2-1) / 感想・レビュー
kinkin
寺山修司の短歌と俳句集。青年期に書かれたものがほとんどか。彼にとって青森から自分を表現する手段が短歌であり俳句だったのだろう。そしてその多くは事実であり虚構。今ならどんなに僻地に住んでいてもツィッターをはじめ様々なSNSで自分を主張、表現できる。昔なら難しかった映画もかんたんにできてしまう。しかし全盛期の天井桟敷を主催していた寺山修司には誰も遠く及ばないと思う。便利さが不便なものになり、新しいものがどんどん古くなってゆく。そんな現在においても寺山はその存在を放っている。
2023/04/21
えむぴち
良かった。字数の牢獄から自由になろうとするような歌。散文詩を書くのはやはり必然だったのだろう。
2020/11/09
Lc
有名な詩「マッチ擦るつかのまの海に霧深し身捨つるほどの祖国はありや 」や「海を知らぬ少女の前に麦藁帽のわれは両手をひろげていたり」が入っています。短歌と俳句のどちらもあります。 惜しむらくは、註釈のポイントが分かり難いです。何度も出てくる「チェホフ忌」がありますが、チェホフは解説が載っているのに、チェホフ忌はいつなのかが載っていないです。詩歌は解説不要と言う人には関係ありませんが、気になりました。
2012/08/23
え
紫陽花の芯まっくらにわれの頭に咲きしが母の顔となり消ゆ
2016/08/03
うえるだぬ
修司の俳句は、言い足りない短歌だから面白いね。 啄木忌の句に関しては、俳句の深さがある。 よほど、啄木に思い入れがあったのか。
2013/03/05
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