ドアの鍵 上 (集英社文庫)
ドアの鍵 上 (集英社文庫) / 感想・レビュー
黒い鴉
大好きなシリトーの反逆の魂の物語。同じく大好きな「小さな恋のメロディ」「...もしも」「時計じかけのオレンジ」等の映画と通底するものを感じる。主人公ブライアンの祖父、父の時代からを描く一族物語であり、シリトーの自叙伝でもあるそうだ。大恐慌後の英国の貧民街から始まる、パターンではあるが武骨で荒っぽい家族の物語。学校や社会への反逆を萌芽させながらも、同時に文学が大好きで世界を夢見る少年シリトー。彼の目を通す自然の美しさ、学校や街の生活の不思議の表現は本当に素晴らしい。下巻へ→
2013/06/28
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