Dr.ヘリオットのおかしな体験 (集英社文庫)
Dr.ヘリオットのおかしな体験 (集英社文庫) / 感想・レビュー
☆よいこ
ドクター・ヘリオットはイギリス人の獣医。牛や馬、豚などの家畜から犬や猫などペットまで幅広く診療する。ヘリオットは思い立ち、空軍に入隊し飛行学校で学び始めた。厳しい訓練の中激ヤセし、愛する妻の出産を心配し、これまで出会ってきた愉快な患者たちのことを思い出す。貧しい人からはお金が取れず、さりとて弱っている動物たちを放ってもおけず、ヘリオットは獣医としてかなりの腕利きになる。▽デブ猫の不妊手術、次々と訪れる想像妊娠家畜など面白すぎる。さかまつげで手術が必要な犬を居酒屋常連で救う話が感動的。悲しい話がないのがいい
2022/01/05
Shoko
動物を治療する話、入隊中の出来事。イギリスの田舎で獣医を務めるドクター・ヘリオットの体験談。他の本と併読してかれこれ半年くらい。一緒に過ごす時間が長ければ、愛着も増す。一癖も二癖もある農場主や飼い主に戸惑ったり、瀕死の猫を治療して見事蘇らせ一緒に暮らしたり、ユーモアのあるヘリオット先生に笑ったり、うるっとさせてもらいました。酒場に居合わせた人々が金を出し合って、貧しい老人の飼う犬の「逆さまつげ」を治療する話、いい話だったな。面白くて、明るい気持ちになれる話が多かった。また気の向いた時に再読しよう。
2018/11/13
booklight
獣医の田舎暮らしの日常と第二次世界大戦に兵役がユーモアを交えて描かれている。新兵訓練をいかに切り抜けるか、という話と、癖のある動物と個性的な村人との付き合いは、失敗盛沢山ながらも動物と人との愛にあふれています。田舎の獣医も素敵な仕事だと思ってしまいます。ふと仕事の合間みつける、ヨークシャーの自然がいいです。かつて、この本を読むことが幸せの一つでした。
2018/08/01
ぱせり
空軍時代。ヘリオット先生に軍服は似合わない。彼の魂は、厳しい規律と訓練から離れてしばしばホームへ帰っていく。美しい思い出、楽しい思い出は、暗い時代にも、人を温める。体中に血を巡らせてくれる。読みながら、わたしは、フランクルの『夜と霧』を思い出した。ヘリオット先生の心の豊かさ、しなやかさは、読書する私の心にも照りかえってくる。
2013/12/16
扉のこちら側
第二次世界大戦時、イギリス空軍に従軍した獣医のドクター・ヘリオットが、田舎町での動物や人々との生活を回想する物語。各章ごとに泣ける一文、笑える一文がぎっしり。動物も、なによりヘリオット先生と周囲の人々の人柄が素敵。世界的ベストセラーだけど、とりわけ欧米で獣医を志す人が多いのはこの本の影響だというのも納得。
2012/05/05
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