ミッドナイト・ミートトレイン 真夜中の人肉列車 血の本(1) (血の本) (集英社文庫)
ミッドナイト・ミートトレイン 真夜中の人肉列車 血の本(1) (血の本) (集英社文庫) / 感想・レビュー
コットン
イベント『私が選ぶ幻想文学ベスト3(海外編)』でのtue1972さんのおすすめ本の『丘に、町が』を含めたホラー系短編集。『丘に、町が』は巨人ポポラックの登場にそういう巨人像があったのか❗と感じた。ホラー色の強い2作である表題作と『豚の血のブルース』は映像化するとぞっとしそうな感じ。『下級悪魔とジャック』は鈍感そうな男と下級悪魔との心理戦が面白い。
2021/08/09
HANA
再読。以前に読んだのは何十年も前だが、未だにある程度ストーリーを覚えているのは自分でも吃驚である。それだけ印象深い話が多かったのだろうけど。特にはっきりと覚えているのは鮮血に塗れた表題作と掉尾を飾る『丘に、町が』。特に後者のアレは読んで以来脳裏にくっきりとイメージが刻まれてしまい、後に歌川国芳のあの絵を見た時に両者が結びついて一人大喜びしてしまいました。他にも『下級悪魔とジャック』の滑稽さや『豚の血のブルース』の陰惨さ、『セックスと死と星あかり』に見る人生等、一つとして似たもののない短編ばかり。いや最高。
2021/12/29
harass
ホラー映画監督としても有名な著者の短編集。全五巻のホラー短編集「血の本」シリーズの第一巻。短編五本収録。出版時に読んだ覚えがあり再購入。映像重視の表現が目立つが、ホラーは心理描写が重要だと再確認。当時全盛期だったスプラッタホラー映画的な派手でグロい描写を取り入れているが、奇想が抜きん出ている。特に「丘に、町が」の異常さ。たしかヤングジャンプあたりで読み切り漫画になっていたのを思い出す。
2017/04/30
スカラベ
クライヴバーカー初読み。血の本全6巻シリーズの最初の巻で、5編の短編が綴られている。表題作はバリバリのスプラッターものだが、不思議と文章から気持ち悪さや痛々しさは伝わってこない。直接手を下す場面がなく、事が終わった後の客観的な描写がほとんどだからか。でもこれ映画化されてるんですね。観るのはちょっと度胸が必要かも。他4編も、血がたっぷりと滴り落ちて来そうな中に、ユーモアや、明るさも伺わせる作品もあります。その中でも『丘に、町が』の世界を築きあげるイマジネーションには脱帽です。ラストの描写にも唸らされました。
2014/05/05
chiseiok
【日本の夏は、やっぱり怪談】積年の課題図書(まぁ、課題図書であることも忘れてたんですが)であった本作。今回のイベント参加をきっかけに読了。想像していた内容の斜め上をいってました。ガチで怖がらせにいくような、現実生活のすぐ隣のリアルな恐怖ではなく、ワクチン接種後(2回目打ちましたw)の不快で浅い眠りの中に悪夢として現れそうな幻想的な恐怖。凡人では思いも付かないであろうぶっ飛んだ世界観は、期待していたものとは違ったけれど充分に楽しめました。「下級悪魔とジャック」が一番好み。でも「丘に、町が」もかなり凄かった。
2021/08/13
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