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セルロイドの息子 血の本(3) (血の本) (集英社文庫)

セルロイドの息子 血の本(3) (血の本) (集英社文庫)

セルロイドの息子 血の本(3) (血の本) (集英社文庫)

作家
クライヴ バーカー
宮脇孝雄
出版社
集英社
発売日
1987-05-20
ISBN
9784087601275
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セルロイドの息子 血の本(3) (血の本) (集英社文庫) / 感想・レビュー

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眠る山猫屋

再読。この巻に収録されている『魂の抜け殻』が、バーカー作品の中でも一番好きかもしれない。男娼ギャビンが出逢ってしまったローマ時代の人形。次第にギャビンに生き写しになってくる人形は、いつしかギャビン以上にギャビンらしくなってゆく・・・。哀しくも美しい物語だ。成り代わられる恐怖より、本人すら無くしてしまった感情さえコピーされ、ふたりが交わす会話に切なさばかりが胸をうつ。他にも『生け贄』の虚無感、表題作の理不尽なまでの存在への執着など、初読みの時には感じなかったものを与えてくれた。

2016/09/03

いいほんさがそ@蔵書の再整理中【0.00%完了】

*血の本シリーズ③*「あたしはあなたのものよ」マリリン・モンローに言い寄られ、男は彼女の体に手を回した。一瞬の後、モンローの顔に亀裂が入り!?次々と有名スターに化ける怪異の正体は?…血をすすり…心臓をえぐる鮮血のホラー小説集(紹介文・他より)――天才的ブラックユーモアで、怖くて恐ろしいのに寓話として楽しめる血の本シリーズ第三巻!今回も、全編まっ赤っ赤でした。社会の評価をまるで歯牙にかけない、恐るべきB級ホラー魂全開の著者の清々しさには、もはや感動を覚えます(笑)相変わらず他人にはオススメできない残念良書!

2013/10/06

モヒート

帰省中に再読。 『屍衣の告白』は、非業の死を遂げた男が無念のあまり乗り移ったのは一枚のシーツだった、というトホホ感。それでも復讐に挑んでいく姿がハードボイルド。 『魂の抜け殻』は、自分の姿形を真似た人形のほうが、自分より「人間」としてまっとうな心を持っているのを目の当たりにして絶望する男の物語。父の墓に花を手向け涙を流す人形に、「親父は花が大嫌いだった」と云うのがせめてもの抵抗だったのかと思うと哀しいなあ。

2015/05/26

よっぴ

ホラー、スプラッタ、奇憚、短編集。。。なんとまあうさんくさい表紙。中身も奇想天外です。何と無く気になり手に取りました。どんな内容か分からないので、ネタバレ地雷を踏まないよう注意しながら解説を先に読んでます。。内容は幻想的でありますが、スリルもあり、スプラッタ要素もあります。読者により好みはあると思いますが、僕は大好きです。一番気に入ったのは「髑髏王」。中身は岩の下に潰されていて(封印?)されていた怪物が復活して暴れまわる話。単純だがスプラッタと哀愁もありなかなか。ホラー好きならお勧めの本。隠れた傑作です。

2015/01/27

ハルバル

死んだ男の癌細胞、死体を包んだ一枚の布、原始生物髑髏王に、溺死体、木偶人形…一見ナンセンスな物体がバーカーの手にかかると絶品のホラーになってしまうのだから恐れ入るしかない。解説ではバーカーのスプラッター的側面より幻想的恐怖作家の側面を強調するが、彼がファンタジーに志向を向けつつある今から思えば鋭い指摘だった。どれも面白かったけど、「魂の抜け殻」は古典的な分身テーマでは、分身が悪の化身とされることが多い気がするが、これは分身の方が人間性を持ってしまうというのが皮肉だなと思った。やっぱり「血の本」は最高!

2017/05/21

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