グレースと公爵 (集英社文庫)
グレースと公爵 (集英社文庫) / 感想・レビュー
dominique
女性らしく流麗で行き届いた文章ながら迫真の筆致。当時の貴族階級の生活描写も興味深いが、階級に関係なく次々に人々が断頭台に散っていく革命の現実に言葉もない。エリック・ロメールの序文は彼の映画そのものとは微妙にズレているのではと思うが、これを原作にああいう映画に仕上げたのはなかなかの凄腕では。
kei
オルレアン公の愛人だった女性の回想録。 日本語で読める希少な一次資料だと思う。 回想録はその信憑性を懐疑的に論じられる類の書き物のようだが、 このグレース・エリオットの回想録は、歴史家として高名な アンドレ・カストロ氏が参考資料として採用していることから、 信頼に足ると評価されているようだ。 実際読んでみると、完結な文章ではあるが革命期の恐々たる様子が 生々しく伝わってくる。 また、当時の貴族の日常生活、たとえば 朝から客人が(おそらく前触れもなく)やって来ることが普通であり、 家主
2012/02/08
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