CUTTING リストカットする少女たち (集英社文庫)
CUTTING リストカットする少女たち (集英社文庫) / 感想・レビュー
青蓮
「なぜ自分の体を傷つけるのか?」を実際の症例と併せて、その原因から回復への手がかりと心の治療法を明らかにし、自傷行為の因果関係に関して解りやすく解説。かつて私も経験したことなのでリストカットする人の気持ちが凄くよく解る。そこにあるのは一番は「怒り」「寂しさ」「不安」などだけれど、それを本来向けるべき相手に行かずに自分へと向けてしまう。そして切った時に感じる「安堵感」が自傷行為に依存してしまう一因にも。リストカットが「死ぬ為でなく生きる為にする」と言うのはこう言う心理がある。左腕に残る無数の傷跡を見ながら。
2016/04/14
佐島楓
私はこれまでリストカットをする患者さんたちの気持ちを理解したいと思いつつ、うまく呑み込めずにいた。この本はアメリカ人セラピストが書いたものなので、日本の症例と符号するかどうかわからない。しかし少なくとも幼児期の人間関係に苦しんだ患者さんがそこから逃れるために走る行為だという事実を知ることはできた。自らに罰を与え、安心する。同時に、理解してほしい、私をわかってほしいというサインでもあるのだろう。今でも完全に理解ができたなどというおこがましいことはいえないが、読めてよかったとは思う。
2012/11/09
レニ
自傷症に関する心理療法士のノンフィクション。バランスのとれた良書だと思った。(以下当事者感想として)強い恐れや怒りに重点をおいているところ、結果としてやってしまった傷に関しては「ボーイスカウト的に」対応する著者に好感。私の担当だった心理士とも、はじめのうち「切ったりした後の手当てはきちんとすること」を約束したな、と思い出した。もちろんその後は切らない方向にしていったのだけれど、やはり長いことかかった。(まだ途中なのかも)。→ 続く
2014/05/30
しば
再読。1人1人のクライエントに感情移入してしまう。カウンセリングに意味はあるのか、と疑問に思う事が頻繁にあるのだが(自分が当たったカウンセラーと相性がわるかのだろうが)、カウンセラーがみなこの本のカウンセラーのような人になったら、意味があるのかもしれない。受け入れられたいんだと思った。
2014/06/19
しば
彼のようなカウンセラーに出会いたかった。読みながら、何度もそう思い、泣きたくなった。
2013/11/03
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