風の影 上 (集英社文庫)
風の影 上 (集英社文庫) / 感想・レビュー
遥かなる想い
本屋で「37か国500万部突破」と帯に惹かれ、読了したスペインの青春小説。ダニエル少年が出会った『風の影』という本が、彼に作家フリアン・カラックスの過去を追わせることになる。初期のゴダードが作り出す世界にも似て、 読者を夢中にさせるプロットであり、全編に漂う雰囲気も魅惑的である。過去とと現代を繋ぐ謎、そして恋… 読書が好きな人にはたまらない…そんな スペイン作家によるミステリだった。
2014/07/06
ehirano1
タイトルからして形而上学的。風の「詩」云々はかの村上春樹氏の作品でしたが、風の「影」とはこれ如何に!加えて、かのイニエスタ選手(サッカー界の名選手)の好きな本が本書とのことで手に取りました。バルセロナが舞台なので、イニエスタ選手の地元愛的なところもあるのではないかとのバイアスを楽しみながら群像劇の前半戦終了。スコアは0-0と言ったところで、後半全の爆発に期待です。
2024/01/03
よむヨム@book
★★★☆☆ 星3つ 「風の影」の本の著者「フリアン・カラックス」にまつわるダニエル少年の探偵物語。 スペインの話の本は初めてなのでちょっと戸惑った感があった。少しスペインの歴史などの背景が分かっていれば面白さがますだろう。 この上巻では、フェルミンと出会ってから面白くなっていく。 ダニエルがフェルミンを伴って真相に迫っていくと思うので、早速下巻へ。
2022/02/22
のっち♬
『忘れられた本の墓場』で手に取った『風の影』に感銘を受けた主人公は、謎の作家の過去を辿っていく。上巻の話の動きはかなり鈍めだが、徐々に明らかにされる人間関係も錯綜して一筋縄にいかない。丹念な人物造形が魅力的で、中でも主人公の探求や成長を思慮深い台詞の数々でフォローする元浮浪者のフェルミンの存在感は抜群。眼差しがどこまでもあたたかい。主人公の現在と作家の過去が次第に重なりを見せる構成と語り口は、やや冗長さを感じさせつつも巧妙。「運命はね、いつも道の曲がり角にいるんです」「こっちから出向かなきゃいけないんだ」
2020/09/02
榊原 香織
スペインバロックミステリーとでも言おうか(ファンタジーなのか?まだわからない) 上下巻の上 忘れられた本の墓場シリーズの第一弾。 フランコ政権下、第2次大戦の後。バルセロナ自体も魅力的 昔使っていたスペイン語の教科書に出てきた名前と同じ人物とか、通り、小道具とか 偶然か、よくある名前なのか、特別な物語に出会ってしまったのか・・
2022/10/12
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