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風の影 下 (集英社文庫)

風の影 下 (集英社文庫)

風の影 下 (集英社文庫)

作家
カルロス・ルイス・サフォン
木村 裕美
出版社
集英社
発売日
2006-07-20
ISBN
9784087605099
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風の影 下 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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ehirano1

期待通りの怒涛のラッシュと奥深さに感嘆。『本を燃やす人間はそのうち人間を燃やす』という言葉を何処かで聞いたことがあり、私はそれに共感しているので、読中大変悩ましく感じました。エピローグはまるでその情景が目に浮かぶようで美しく、そして各々登場人物達は収まるべきところに収まったので読後感はとても良いものでした。

2024/01/04

KAZOO

最後まで読んでしまいました。最初はあまり気乗りがしなかったのですが(本当は本についての話だと思っていたので)、この作者のストーリー手リングの才能が結構あると感じました。「オペラ座の怪人」を思い起こしながら読んでしまいました。

2014/03/17

よむヨム@book

★★★★☆ 星4つ ダニエルが虎の尾を踏んで、一人の女性が殺され、ちょっとした探偵物語が様相が変わってきた。 この下巻では、「亡霊の回想」が秀逸で手紙の話に引き込まれていった。 フリアン、ペネロペ、ミケル、そして、ヌリアの話からは「悲しみ」しか感じられず、「運命」、いや、リカルド・アルダヤの「傲慢」からくる悪夢としか言い様がない。 「運命」と言えば、ダニエルが忘れらてた本の墓場で「風の影」という本に出会ったことだろう。 そして、この本によってダニエルとフリアンが結びついている。→

2022/02/24

のっち♬

「戦争は、忘れることをえさにして大きくなっていくのですよ」—徐々に明らかになるにつれて、重なり合っていく登場人物たちの足跡。内戦下の都市を支配する恐怖のシンボルともいうべき刑事フメロが不吉な影を落とす。「七日後に、ぼくは死ぬことになる」からの展開は怒涛の勢いで加速し、巧緻かつ愛憎入り乱れたシナリオに引き込まれる。中でも『亡霊の回想』は痛切で、高潔な友情や愛情が情念をこめて描かれている。決して明るい物語ではないが、希望と力強さを感じさせる大団円。詩的で美しい表現を交えながら、終始本への愛を感じさせる作品だ。

2020/09/04

タツ フカガワ

謎の作家フリアン・カラックスを巡るダニエルの20年にわたる物語のなんと濃密なことか。重く暗くそして哀しみに溢れる世界は独特の味わいで、一度引き込まれるともう抜け出せません。とくに中盤、ヌリアの手記から始まる展開には圧倒されっぱなしで、最後の『靄の天使』の献辞にはうるっときました。が、そんな濃い本、じつは15年ぶりの再読ながらまったく覚えていなかったことが、ちょっとショックでもありました。

2021/12/31

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