日はまた昇る (集英社文庫)
日はまた昇る (集英社文庫) / 感想・レビュー
テツ
情熱の国スペインを舞台にアメリカの富裕層の若者の姿を描くヘミングウェイの初長編。第一次大戦後に青春を迎えロストジェネレーションと呼ばれた自堕落で無気力な若者たちの退廃的な日々。恋も人生も全てが虚しい彼らと生と死が一瞬のうちに交錯する闘牛との対比。激しい物語があるわけでもなく胸打つようなロマンスがあるわけでもない。ただ自堕落で無気力な若者(たち)に見切りをつけブレットは若き闘牛士と駆け落ちをする。ヘミングウェイがこの物語を通して何を描きたかったのかについて当時の世相も踏まえて考えてみるのも良いかもしれない。
2017/07/26
GORIRA800
グレートギャッツビーのパーティシーンが永遠に続いていくような作品です 退廃的、でもロマン的、限定的な人付き合い、でもどこか距離感もあったりする なんていうか終わりを感じさせる人間関係ってなんやかんやで美しいと思う
2024/10/09
たつや
ヘミングウェイの未読本だ。それだけで、図書館で借りたが、大戦後のパリやスペインの雰囲気や若者達の虚無感が綴られており、読後は変な余韻が残った。
2024/10/09
amanon
読み始めは『グレート・ギャッツビー』を思わせる、独特の苦味を湛えた小説…という印象で、その印象は概ね間違ってはいなかった。ただし、どこかでテキストと読み手が噛み合わなくなってきた感が否めない。とりわけ語り手ジュークと友人ビルがバイヨウンヌに滞在し出した辺りから一抹の違和感が拭えなくなる。それに加えて、後で合流したマイクとブレッドそれにコーンとの不穏な雰囲気。果てはコーンのストーカー紛いの行動とその顛末には鼻白んだというのが正直ところ。ただ、フェイスタを終えた後の寂寥感とラストの描写にはかなり感じ入ったが。
2023/01/23
wei xian tiang
今まで世になかった 新しい文体に触れた読者の受けた衝撃というのは、既にその文体が当たり前のものになってから生まれた後世の我々にとって想像するのも難しい。様々な作品に触れ選択できる自由の代わりに、創造や変革の瞬間に立ち会う感動は予め失われている。この作品もそんな意味で、あまり心動かされることがなかった。 それにしてもよく飲むこと。
2019/07/04
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