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天使のゲーム 上 (集英社文庫)

天使のゲーム 上 (集英社文庫)

天使のゲーム 上 (集英社文庫)

作家
カルロス・ルイス・サフォン
木村 裕美
出版社
集英社
発売日
2012-07-20
ISBN
9784087606461
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天使のゲーム 上 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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のっち♬

未来も"大いなる望み"も失った作家のマルティンは謎の編集責任者の依頼を引き受ける一方で移り住んだ塔の館にまつわる謎を追う。"忘れられた本の墓場"シリーズ二作目となるが、本の墓場の扱いは地味になった印象。息苦しい来歴や謎めいた支援人など序盤は『大いなる遺産』がモチーフ。第二幕ではコレッリとの獰猛かつシニカルな問答とイザベッラとの愛嬌とウィットに富んだ会話が物語に絶妙なメリハリをつけている。形而上的なテーマ性や不気味な静寂を湛えた建物の描写、神秘的な演出など"『風の影』のゴシックな妹"と銘打つに相応しい内容。

2021/06/14

mocha

〈本の墓場〉シリーズ第2弾。『風の影』よりも時代を遡り、ホラーな雰囲気が漂う。苦労して作家になったダビッドは不気味な館を手に入れ、怪しげな仕事の依頼を引き受ける。謎の雇用主は何者なのか?かつて館で何が起きたのか?下巻での着地がとても気になる。

2021/04/03

ふう

「風の影」と同じように『本』が『親子の本屋』が、そして『忘れられた本の墓場』が登場。同じように明るい陽射しはなく、暗く重い空の下でミステリアスな物語が進んでいきます。ここかしこに巧みな表現が散りばめられていて美しく、その美しさに惑わされながら、ゾクッとする暗闇に引きずり込まれていきます。下巻へ。

2017/04/09

財布にジャック

前作の「風の影」に続き「忘れられた本の墓場」が登場する第2弾だというので期待して読みました。前作と同じ翻訳者さんなのにだいぶ訳が自然になって読みやすく感じました。バルセロナを舞台に繰り広げられる謎の数々の虜になり、10年前に訪れたバルセロナを思い出しながら、主人公のダビッドと一緒にこの街に迷い込んでしまいました。下巻ではどんな運命が待っているのかとても楽しみです。

2013/08/04

エンブレムT

足元だけを照らされ、手探りで前に進んでいく感じ。灯りはご丁寧にも通り過ぎるにつれ消され、前にも後ろにも暗闇だけが広がっていくような・・・不安が募っていく上巻でした。主人公ダビッドに配られたカードは、貧困、孤独、契約、猜疑、死と騙しの気配、そして文才。気持ちが沈んでしまいそうな方向に物語が進みそうになると、前作『風の影』で魅了された「忘れられた本の墓場」や「センペーレと息子書店」の面々が登場し、ページを捲る手を軽やかにしてくれました。下巻に手を伸ばさないわけにいかない吸引力があるのは確かな1冊です。

2013/05/12

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