白鯨との闘い (集英社文庫)
白鯨との闘い (集英社文庫) / 感想・レビュー
shamrock
好著。当事者により残された手記以外にも広範に資料、証言にあたり、ニュートラルな立場で書かれていると感じた。正直、読む前は本書のタイトルは如何なものかと思っていたが、読了してみると、ナンタケット島と鯨の長きにわたる関係性を端的に表しているように思えるようになった。
2016/02/19
fseigojp
映画原作 『白鯨』がなかなか進まないので こちらから 映画を見て、だいぶイメトレできた
2016/05/24
yamakujira
1820年、太平洋でクジラに体当たりされた捕鯨船が沈没、20人の乗組員は3艘のボートで南米西岸をめざす。途中でたどりついた無人島で残留を決意する者、病死する序列3位の航海士、食料と水の欠乏で次々と餓死するクルー、離れ離れになって消息不明の1艘、そして極限状態の船長ボートでは「くじびき」が行われた。リクガメを食糧として捕獲して、乗員の悪戯で離島を焼き尽くし、クジラを油のためだけに殺戮する捕鯨が時代の要求だとしても、不幸な遭難は報いだと思えてしまう。彼らだけが報復されるのは不公平だけれど。 (★★★☆☆)
2018/08/21
Ribes triste
当時の資料や記述を元に、事件が克明描き出されていきます。クジラによる本船大破後の漂流の話が壮絶で凄惨。極限状態に置かれる人間の姿は、淡々とした筆致な分、強烈な印象を残しました。こういう本を読むのが耐えられない人もいるので、誰にでもお勧めはしません。読み応えある本でした。
2016/01/17
さとし
実はこの本、一部では非常に評価が高く幻の名著と言われた「復讐する海」そのもので、それをあたかも映画のノベライズのように復刻w 「白鯨」の基となった海難事故を追ったノンフィクションで、好き嫌いはあるが驚愕の面白さだ。 鯨に襲われ沈没したエセックス号の船員達が、海上を漂流する間の飢餓と渇き、その末のカニバリズム。 海難事故のあった船長、航海士、船員の証言を基に描かれていくが、その語り部達も信用出来ないという所も読後に余韻を残す。 ミステリのような不透明さが、皮肉にもこの本を深みのあるものにしている。
2016/02/26
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