彼女が家に帰るまで (集英社文庫)
彼女が家に帰るまで (集英社文庫) / 感想・レビュー
のぶ
読む前に想像していた本とは随分違っていた。裏表紙のあらすじを読んで行方不明になった女性の捜査が中心の話だと思った。初めの提示こそ当たっていたものの、その後読むスピードが進まない。話の展開が遅いのだ。それに加えて行方不明になった女性の謎に別の謎が入れ子になっている。近所に住む住人の腹の中に何かある。だがそれらが明かされないまま終盤になるが、どうも良く解らない。舞台が1950年代のデトロイトで、人種の問題等も要素になっていたかもしれないがよく読み取れなかった。謎が謎のまま終わってしまったような印象だった。
2016/08/06
ペグ
アメリカ。デトロイト50年代。住宅街で起きた失踪事件と近隣地区での殺人事件。題名の(彼女)が帰る(?!)までの7日間、其処に住む女性三人の心模様が描かれています。心理サスペンスやミステリでは無く普通小説のように感じました。作者はとても丁寧に描写していますが私にはちょっと冗長に感じました。好みの分かれる作品かと思います。
2016/07/19
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
アメリカの高度成長期のデトロイトのある町内で、1人の女が殺され、別の女が失踪する。夫達はグループを作って捜索し妻たちはキャセロールやマフィンなどを作り夫達に食べさせ祈る。コージーではないし、ミステリーでもない。誰も殺された女の捜査をしてない様に見えるし、失踪した女をどう探しているのかもわからない。書かれているのは各家庭に潜む暴力やレイプ、満たされない夫婦仲など。高度成長期の中流アメリカ人達は、芝を刈り、大工道具を揃え、どっさりとパイやケーキを焼き、いかにお金を使うか忙しくしているように見える。あやうい。
2016/08/26
信兵衛
登場人物の一人一人が嘘を重ねていくところ。それがさらに本ストーリィにおける不穏さをさらに深めていきます。全般に漂う不穏さこそが本ストーリィの真髄。
2016/09/07
わたなべよしお
うまいなぁ。何気ないこと書いているのだけれど、読ませてしまう。そのローリー・ロイの2作目。1作目がエドガー賞処女長編賞、本作がノミネート、3作目でエドガー賞を獲ってしまうのだから、注目の作家だよなぁ。女性作家はうまいなぁ、筆力あるなぁと思うことが多い。シェットランド4部作のアン・クリーブスやタナ・フレンチ。個人的にはストーリーがもう少し事件らしい事件が核となっているアン・クリーブスの方が好きだが、ともかく3作目「地中の記憶」も出たことだし、読まずばなるまい。
2017/04/03
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