ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂 (集英社文庫)
ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂 (集英社文庫) / 感想・レビュー
さつき
アメリカ人が描くジョン万次郎はどんな人物だろうと興味津々。漂流の後、やっと辿り着いた鳥島での過酷な生活。アメリカの捕鯨船に助けられてからの船内での生活など、波乱万丈ではあるけど、あまりに単純に物語が進むことに少し驚きました。ニューベリー賞受賞作であると訳者のあとがきで紹介されていて納得しました。児童書だったんですね。万次郎が人種差別に負けず努力して自分の価値を高めていく様子は清々しく、多様性を認め合う姿勢を学ぶのにぴったりだと思います。最後に環境問題に触れているのも、子供への配慮が感じられました。
2020/10/02
あきぽん
アメリカ人作家が描いたジョン万次郎の伝記。金原瑞人の訳が翻訳ものとは思えないくらい読み易く分かりやすい。以前知り合いが好きな歴史上の人物はジョン万次郎というのを聞いて、フェイントかけられた気になったことがあった。確かにその強運にはあやかりたいなあ。
2019/07/21
ちゃとら
アメリカ人の描いたジョン万次郎。この本を読んだきっかけは、猫じゃらしおりが欲しかったから😅💦前回読んだ、奴隷少女の話と対照的。漁師の息子が遭難し、アメリカ人に助けられて、最後は日本の開国にも貢献する。絵に描いたようなドリームストーリー。なんと運の良い人だったのか。本の中のジョン万次郎は、優しく強い少年だった🙆♀️
2019/07/24
かめりあうさぎ
初読み作家さん。児童文学作家が描いたジョン万次郎の生涯。読みやすくて面白かったです。万次郎が描いたデッサンが挿し絵で載っていてそれも楽しい。鎖国していた幕末に海難事故にあい、ひょんなことからアメリカに行くことになった万次郎が様々な差別や困難に立ち向かう姿が眩しいです。そしてなんと言っても、偏見なく彼を養子にして面倒をみてくれた船長夫妻が素晴らしいです。歴史的な背景にも巻末で触れており、満足度の高い一冊でした。
2019/12/24
Shun
ジョン・マンとも呼ばれた男の生涯。実存の資料を参考に児童文学作家の手によって描かれています。児童文学という枠で数々の賞を受賞していることもあり、万次郎の波乱とドラマに満ちた生涯が適度にまとめられ読みやすい。鎖国下の日本で、万次郎ら漁に出て遭難した民が再び故郷に帰ることは困難である。あまつさえ異国の船に拾われ外国人と接触、そしてアメリカ的自由を体験した者なら日本でどんな扱いを受けるか想像すると怖ろしい。偏見や差別を抜きにこの物語を読むことはできないが、本作は子供心にも刺激を与えてくれる冒険小説でもあります。
2021/04/10
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