スティーヴンソン ポケットマスターピース 08 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)
スティーヴンソン ポケットマスターピース 08 (集英社文庫ヘリテージシリーズ) / 感想・レビュー
優希
ほぼ短編ということで、スティーヴンソンの作品にまんべんなく触れることができると思いました。『ジーキル博士とハイド氏』は既読でしたが、他の様々な短編から様々なスティーヴンソンの表情が伺えたような気がします。あまり作品を知らないからこそ楽しめた1冊。代表作である『宝島』が殆ど掲載されていなかったのだけが残念です。
2016/06/29
やいっち
解説も含め800頁以上。長いと言えば長いが、中身が充実していて読み急ぐ気はしなかった。収録作品は、「ジーキル博士とハイド氏/自殺クラブ/噓の顚末/ある古謡/死体泥棒/メリー・メン/声の島/ファレサーの浜/寓話(抄)/驢馬との旅」。恥ずかしながら、最後の「驢馬との旅は紀行文なのに、小説だと思い込んで読んでいた。最後まで気が付かない吾輩。なんて独創的な小説なんだ。地名はリアルなのか、架空なのか……どう受け止めていいかわからないままに。
2020/07/27
じゃがいも
子供向けと思っていたジギル博士とハイド氏でスティーヴンソンの陰影ある彫りの深い文体を知りました。短編ばかりでイギリスから南洋ものまで本当に楽しく読めました。スコットランドの青い波騒ぐ断崖の島の父娘「メリーメン」、双子の兄弟のロシア文学のような暗く重い明暗「ある古謡」、南フランス山中のユーモラスなノンフィクションもの「驢馬との旅」
2019/10/13
Hiro
文庫とは言え800頁の大著は骨が折れた。やっと読んだという感じ。ジキルハイドはともかく、私の気に入ったのはファレサーの浜、死体泥棒、そして驢馬との旅。ただどれも身近な話ではないので入り込むのには慣れが必要、時間を要す。宝島だけではない、多彩な物語世界と、作家の、常識にとらわれない、勇敢で行動力のある人柄を知った。本書を始めに奥深い著者の作品群に親しみたいと思う。このシリーズは翻訳が既存の一般的なものではなく新訳であるのと文献案内が充実しているのが特徴。
2024/08/05
たくぞー
(驢馬との旅)ただ本能の赴くままに動いているだけなのに、殴られ、針で刺され、野ざらしにされた挙げ句、最終的に売られてしまったモデスティンが不憫でならない。しかも、物語を無理やり美しく締めようと、「苦楽を共にしたことに感謝」的な取って付けたセリフを吐く始末…スティーブンソンよ、お前の来世はグソクムシだ!扉をくぐれ!!
2023/03/22
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