E・A・ポー ポケットマスターピース 09 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)
E・A・ポー ポケットマスターピース 09 (集英社文庫ヘリテージシリーズ) / 感想・レビュー
優希
面白かったです。ポーの名作の数々に触れることができました。数々の優れた短編からはセンセーショナルな雰囲気を感じます。ゴシック、怪奇小説、ホラー、探偵小説などあらゆるジャンルで構成されており、ポーの多彩なコンテンポラリー文学として今読むべき作品が多いように思いました。後の作家たちに多大な影響を与えただけに、今読んでも魅力がありますね。全作品、抄訳でなく全文であるのも嬉しいところです。
2016/07/12
ころこ
『アーサー・ゴードン・ピムの冒険』創元推理文庫の第2巻で入手可能ですが、本書では巽孝之の新訳で読めます。メルヴィル『白鯨』や大岡昇平『野火』など意外な作品と影響関係があり、さらに「100分De名著」では巽の解説によって詳しく論じられています。冒険譚ですが、ポーらしく閉じ込め、殺し合い、飢餓、暴風、大波、浸水、人肉喰、寒さなど人間があらゆる恐怖を体験することが冒険なのだと読めます。
2022/03/27
おにく
定評のある翻訳と、新訳を含めたポーの作品集。ポーの文章は古風で趣があり、自分は結構好きなのですが、古い文章で読みにくいと感じる人には、新訳がいい足掛かりになるといいですね。"近代推理小説"の始祖と言われる"モルグ街の殺人事件"がおすすめです。
2019/04/24
きゃれら
子供の頃ジュブナイルで読んだ黒猫の印象が強烈に残っているポー。こうしてまとめて読むと、後世の様々なエンタテイメントのみならず、文学作品へ影響を与えていることを改めて感じる。解説で鴻巣さんが述べている「先取りの剽窃」は、ほんとにそうだと思った。ドイルがホームズ物の最初期にポーを手厳しく批判しているのは、影響を逃れることが不可能だという自覚があったからだろう。まったく知らなかった唯一の長編「アーサー・ゴードン・ピムの冒険」まで載ってるこの作品集は、怖い話が好きならいつでも再読できるよう一冊家に置いておくべき。
2022/07/18
緋莢
2022年2月放送の「100分 de 名著 エドガー・アラン・ポースペシャル」で知って興味を惹かれて購入した本。小説(4ページしかない未完の作品『燈台』なんかもあります)だけでなく、詩も収録されています。また、「お前が犯人だ!」、「メルツェルさんのチェス人形」は桜庭一樹による翻案です。史上初の推理小説と言われる「モルグ街の殺人」は真相を知っていましたが、読むのは初めて。でも、これはなぁ…あるホラーでお馴染みの要素が入った作品を、それをもってリアリティが無いと書いている感想を見かけましたが (続く
2023/08/07
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