リーチ先生
リーチ先生 / 感想・レビュー
starbro
12月の第1冊は、原田マハの新作です。バーナード・リーチの物語は初めてです。もう一人の主人公沖亀乃介(著者の創作)の青春譚でもありました。こういう無名の人間こそ日英の文化の架け橋だったんでしょうネ。明治後半~大正期の数多の文化人達がイキイキと躍動していました。直木賞候補としては少し弱いですが、「好い」佳作です。
2016/12/01
サム・ミイラ
土と炎と人間の物語。師弟の愛情と時を超える親子の絆。芸術とはいったいなんなのだろう。人生の幸福とは。そのひとつの答えがこの本にはあります。英国と日本の架け橋にならんと日本を訪れた芸術家バーナード・リーチと彼に関わる人々のそれぞれの人生を穏やかに温かく紡いでゆきます。日本の近代芸術の礎を築いた人達もきら星のように出てきます。これ以上書くのは野暮。読んで下さい。涙を拭うため何度老眼鏡を外した事か。これは間違いなく朝のテレビ小説になるべき作品だと思います。某国営放送さんぜひお願いします(笑)
2017/05/09
ミカママ
民藝としての陶器たちが、外観はもちろんのこと、その手触りまで目に浮かぶような作品でした。陶芸への情熱、亀乃介のリーチ先生への献身と愛情。 マハさんの読みやすい文章で、最後まで引き込まれました。
2017/05/22
yoshida
日本文化に魅せられたイギリス人のバーナード・リーチは日本に渡り陶芸に出逢う。リーチを支える沖亀乃介。彼の視点から日本とイギリスを舞台にした暖かな物語が紡がれる。登場人物が皆、暖かく安定して読めます。後半は引き込まれ感動しつつ読了。自身も陶芸家を志す亀乃介。リーチを献身的に支えた亀乃介の旅立ち。亀乃介とシンシアとの別れ。高市とリーチとの邂逅。人の世の縁に気持ちが熱くなります。読了後、リーチ先生の写真と作品、特にジャグを見ると感動もひとしお。好きな事を目指し、成し遂げる姿は素晴らしい。読後感暖かな作品です。
2017/03/18
Nobu A
「楽園カンヴァス」読了以来、原田マハに惚れ込み、2ヶ月超で著書10冊目。長期赴任で滞在先の某市立図書館で借り放題。正に邂逅と僥倖。16年刊行。絵画と思いきや今回は陶芸。でもセザンヌやゴッホの画も登場させるのが憎い。しかも実家近くの小石原焼と小鹿田焼も舞台に。架空の人物、沖亀之介とその息子、高市を使い、バーナード・リーチと仲間達や当時の情景を蘇らせる筆致。ウイリアム・モリスが提唱した「アーツ・アンド・クラフト」を信奉し、陶芸を書画、油絵、彫刻等と同じく芸術の美まで高めた美術史を学び、同時に感銘を受けた。
2023/11/27
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