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テロリストの処方

テロリストの処方

テロリストの処方

作家
久坂部羊
出版社
集英社
発売日
2017-02-03
ISBN
9784087710250
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テロリストの処方 / 感想・レビュー

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starbro

久坂部羊は、新作中心に読んでいる作家です。タイトルからイメージしていませんでしたが、社会派医療ミステリでした。医者がかならず儲かる時代は過去り、本書のように下手するとホームレスになるリスキーな職業だと思いますが、医療の現場はそれ以上に多くの問題を抱えています。日本有数の圧力団体である日本医師会の会長は本書をどう読むのでしょうか?

2017/05/15

🐾Yoko Omoto🐾

医療関係の職に従事している人が読めば、色々と意見を持てたり理解できたりするのかも知れないが、患者の側でしかない自分には、正直あまりピンとくるところのない作品だった。富裕層を対象にした医療で私腹を肥やす「勝ち組」のセレブ医者、地道な医療を提供しながらも、現代の制度では報酬や待遇その他殆ど報われない「負け組」の貧困医者の格差が、今後の医療現場の崩壊を生むという問題提起にミステリを絡めている。最もギョッとしたのは年収別の平均余命。三百万以下と二千万以上では十八年も差があるとか。格差社会、お金があれば何でもあり。

2017/05/20

いつでも母さん

『日本の医療は問題が山積みだ』今回はこの言葉だけが残った読後感。久坂部さんだから書けたこともあるのだとは思うのだけれど、ちょっと肩すかし感は否めない。負け組患者に属するであろう私は、だから私たちにどうすればいい?って・・次作に期待を込めて軽く読了し、次へ進みます。

2017/02/22

nobby

医療制度破綻によって患者・医者どちらとも勝ち組・負け組と二極化する社会。医療福祉に従事していての実感というより、そんなこともあるだろう程度…作中で掲げられる医療免許更新制などを謳う「医道八策」という提言には惹かれるものの、その裏に垣間みえる利権や嫉妬が生々しくて現実的。何より、その達成に向けファシズムをも思わせる過程が恐ろしかった…“勝ち組医師テロ”の真相は、ほぼ終盤の独白で明かされるのでミステリとしてはかなり微妙。所々に挟まれる意味深な会話もあまりピンとこず…それでも最後の最後にゾワッとするのは嬉しい。

2019/06/11

まこみん

近未来の日本の医療格差。医療の高騰化による保険制度の崩壊、それは患者側だけでなく、医師側も勝ち組と負け組に分かれる事に。そんな中、勝ち組医師を狙った連続テロ事件が起こる…。医事評論家、浜川は作者の分身か。一般の患者側でなく、医療に携わる医師業界側の話なので、分かりにくい面もあったが、医師免許の更新制等を掲げる「医道八策」は実現出来たらと思える事項もある。過剰な医療は要らないけど、必要な治療さえ受けられない患者の増大の予見には暗澹たる思い。窓のラストはまだ解決でない、終わっていないとゾクッとした。

2017/03/28

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