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今ひとたびの、和泉式部

今ひとたびの、和泉式部

今ひとたびの、和泉式部

作家
諸田玲子
出版社
集英社
発売日
2017-03-03
ISBN
9784087710458
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今ひとたびの、和泉式部 / 感想・レビュー

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優希

艶やかな平安絵巻と思いきや、淡々としたミステリー仕立ての物語でした。赤染衛門の娘と和泉式部が交互に語る現在と過去。そこに色恋を彩った男性たちの死が絡んでくる。多くの死を見つめながらも、女流歌人として名を馳せていく姿は興味深いところでした。恋多き女性としての遍歴も描かれていますが、その生きた姿そのものが印象的です。

2017/12/18

yumiko

大好きな和泉式部の名に惹かれて、著者初読み。平安の歌人和泉式部は、数々の優れた恋歌を残し、恋多き女としても名を馳せた。赤染衛門の娘が式部と縁のあった人々の話を聞き、彼女の生涯を紐解くミステリー仕立て。(以下辛口)もう少し筆を尽くしてほしいと思うところが多々、正直物足りなさが残った。結末に至っては、著者が何を描きたかったのか分からない。「和泉式部日記」が素晴らしいものであるがゆえに、二次創作であるならば、式部の魅力をより引き出すような作品であってほしかった。

2017/04/25

NAO

藤原道長に「浮かれ女」と呼ばれた和泉式部の恋の遍歴。彼女の生きざまを、赤染衛門の娘が語る『今』と和泉式部が語る『過去』で読み解いていくミステリ仕立ての話。和泉式部の周辺の男たちの死に絡めて描かれる、当時の貴族社会の闇の部分。「わが世の春」を謳歌していた道長のなんという力。ただ、私は、貴族でありながらも武勇に優れ笛の名手でもあった藤原保昌の描かれ方にショックを受けた。

2017/06/02

星落秋風五丈原

現在と過去の二重構造。赤染衛門の娘が幼い頃ゆかりのあった和泉式部の死の謎を探っていく。平安時代をいかにわかりやすく描くかということに焦点を絞ったのかな。

2017/04/06

baba

戦国時代物が続いたので新鮮でした。陰謀、策略が渦巻く貴族社会で思うように生きられない女性が夫や恋人に禍が及ばぬように心を押し殺して歌にすることで生きる様が和歌と共に綴られる。赤座衛門の娘の語りと並行して道長、彰子、紫式部などが登場し煌びやか、後半はにわかにミステリーで最後まで惹きつけられて読了。華やかな世界の傍らで飢餓や疫病で死んで路傍に捨てられる格差に心が痛む。

2017/05/19

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