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父 Mon Pere

父 Mon Pere

父 Mon Pere

作家
辻仁成
出版社
集英社
発売日
2017-05-02
ISBN
9784087711103
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父 Mon Pere / 感想・レビュー

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starbro

辻仁成は、新作中心に読んでいる作家です。最近息子に関する著作が多いので、表紙とタイトルから、息子目線で見た私小説かなぁと思っていたら、近未来?私?小説でした。パリ在住のシングル・ファーザーである著者ならではの作品、テロや社会不安に揺れるパリの現在が垣間見える佳作です。

2017/05/27

なゆ

辻さんご自身の、パリでのシングルファザーライフを投影したような小説だろうかと思ったら、違った。もっと先の将来、老い始めた自分と息子の関係を想像してるかのような感じかな。どうしても、辻さんがちらついてしまう。パリで生まれ育ったジュール(充路)は両親は日本人だが国籍はフランス。恋人のリリーとは結婚がちらつくが、父親の繰り返される健忘症(認知症ではなく)と、もう一つの壁に阻まれて先に進まない。多様な国籍間の結婚、親の介護、移民の問題、いろいろな事柄を垣間見ながら、なかでもクマムシの話は興味深かった。

2017/09/03

ぶんこ

日本人の両親を持ち、フランスで生まれ育ったジュール目線で紡がれた物語。共に家族を持つどうしの男女が事故死し、その遺族である一人っ子のジュールと二人兄妹のリリーが、親の事故死の原因を探るリリーの行動から知り合い愛しあうようになる。残された側(ジュールの父、リリーの母)の苦悩が強くて息詰まる。父の健忘症によって起こる数々のトラブルと、不法滞在の移民の問題も絡んできて、重苦しい物語なのに、何でかさほど重苦しさは感じられない。物語とは関係ないのかもですが、中国人の日本人に対する憎しみの強さが印象に残りました。

2019/07/15

mio217

母を早くに亡くしたフランスで暮らす日本人の初老の父と息子の話。実際に、辻さん自身が中山美穂さんと離婚後、中学生くらいの息子さんと2人でフランスに暮らしていらっしゃるから、妄想で将来の我が姿も重ねて執筆されたのでしょうか。家族愛、男女の愛情物語の中に時折、フランスでの美しい街並が垣間見えてほっこりする。しかしその街並みの裏に隠れたフランスの深刻な不法移民問題が浮き彫りにされ、興味深く最後まで読めた。最後まで著者親子を思い浮かべながら読んでしまったけれど、辻さんが良き父である事がこの本を通して伝わってくる。

2017/09/12

ひめ

複雑な人間関係のなかで淡々と話しが進む。息子と父親、息子とその恋人、恋人の母親、父と恋人の母親、息子を軸にそれぞれの関わりが書かれている。ちょっと心温まるお話でした。

2017/05/21

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