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大人は泣かないと思っていた

大人は泣かないと思っていた

大人は泣かないと思っていた

作家
寺地はるな
出版社
集英社
発売日
2018-07-26
ISBN
9784087711448
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大人は泣かないと思っていた / 感想・レビュー

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さてさて

『なにもかもうまくいく場所などどこにもない。どの場所で咲くことを選んでも、良いことと悪いことの総量は同じなのかもしれない。生まれてから死ぬまでの時間で均してみれば』。濃厚で息苦しくなるような田舎で人生を送っても、希薄で時に人恋しくなるような都会で人生を送っても、それぞれの人生の中に喜びと悲しみがある。そんな中では大人だって泣きたくなる時もある。泣いてしまう時もある。大きな事件もなく淡々とした人の暮らしを描いたこの作品。「大人は泣かないと思っていた」、何だかふっと心が温かくなるのを感じた、そんな作品でした。

2021/02/23

ウッディ

田舎の家で頑固な父と二人で暮らす翼を中心に、庭の柚子の実を盗られるという小さな事件から繋がっていく7編の優しい連作集。バトンを繋ぐように主人公が交代しながら進んでいくストーリーで、みんな事情や悩みを抱え、傷つきながらも優しい気持ちで生きている事がわかります。翼の強さと鉄腕の優しさ、一見正反対に見える2人のキャラが印象的で派手さは無いけど、じんわり心に沁みてくるお話でした。自分も子供の頃は、大人って涙を見せず、強いもだと思ってけど、心の内は何も変わっていない、そんなタイトルも印象的でした。面白かったです。

2019/01/20

うっちー

寺地さん初読み。メーターの評価通りgoodでした

2018/09/05

kotetsupatapata

星★★★★★ 著者初読みです。 九州のとある地方都市を舞台に、一組の男女を通して周囲の機敏な人間模様を描いた作品。 7編それぞれ語り口を変えながらの連作短編でした。 少し時代遅れの男尊女卑な考えや、閉鎖的な地方都市の実状にげんなりするシーンもありましたが、翼とレモンのつかず離れずの関係や、友人・同僚の温かく見守る眼差しが共鳴できる爽やかな作品でした。 翼も遠くの将来に怯えて立ち止まることをせず、レモンと手を携えて幸せに生きて欲しいものです そして登場する女性達の逞しさに比べ、男衆のポンコツな事😩

2021/02/02

ネギっ子gen

<休日に菓子をつくることは俺のいちばんの楽しみ>の時田翼32歳と、名づけのセンスが独特な親を持つ小柳レモン22歳。ふたりは、庭の柚子をめぐって真夜中に出逢う。柚子好きなわたしには、導入からワクワクの展開。<ひとりの人間の生涯におこったことのすべては、そのひと自身しか知り得ない。ひとがひとりいなくなるということは、ひとつの物語が消滅するということでもある>との文章に、深く共鳴。読後、うっすらと感涙のひとしずく。BGM:中島みゆき「永久欠番」♪100億の人々が/忘れても見捨てても/宇宙の掌の中/人は永久欠番⇒

2020/08/25

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