雨降る森の犬
雨降る森の犬 / 感想・レビュー
starbro
馳 星周は、永年に渡って、ほとんどの作品を読んでいる作家です。ソウルメイト系の作品ではありますが、そこまでの感動作ではありません。母娘父息子葛藤犬鎹山岳小説でした。バーニーズ・マウンテン・ドッグ https://www.min-inuzukan.com/bernese.html を飼いたくなりました。
2018/07/25
やま
な、涙が、涙が止まりません…。この文を書きだしたら、止まっていた涙が、また出て来ました。雨音は、ワルテルありがとう、ワルテルが居てくれて、本当に救われたと。 雨音は、蓼科に居る叔父道夫と暮らすために道夫のログハウスへ行きます。そこに居たのが、力強くて、優しいく、賢いが強情なスイス原産の大型犬バーニーズ・マウンテン・ドッグの雄犬ワルテルです。 この物語は、家庭に事情のある雨音と、ワルテルの心温まる物語です。 雨降る森の犬 2018.06発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。🌿続く①➁→
2021/01/30
おしゃべりメガネ
集英社さんの【ナツイチ2021】にて取り上げられていた作品で、久しぶりに馳さんワールドを堪能しました。家庭の事情により、都会を離れ、山麓に一匹の犬と住む伯父と暮らすコトになった「雨音」。最初は慣れないながらも、愛犬「ワルテル」と過ごしながら、少しずつ成長していき、隣人の「正樹」と知り合い、彼も家庭の複雑な事情を抱えながら悩んでいるのをお互いに励まし、支え合っていきます。伯父「道夫」は山岳カメラマンで、登山と撮影の素晴らしさにすっかり魅了された二人は、これからのそれぞれの未来を真剣に考え始めていきます。
2021/06/26
モルク
かつて読んだ馳さんの作品とは趣を異にする、なんと心あたたまることか。父親を亡くした中学生の雨音は母親と上手くいかず、母は恋人を追ってアメリカへ。雨音は信州に住む母の兄山岳写真家道夫のもとに行く。そこにはバーニーズマウントドッグのワルテルがいた。そして隣の別荘の、父親との軋轢に心すさぶ正樹ともワルテルを通じて親しくなる。心を閉ざしていた雨音を自然とそして彼らが癒す。読み手の私もワルテルに心癒される。最後はただただ涙…これからこの本を読む方は最後に読む場所に気をつけてね。動物好きにはたまらない一冊だった!
2019/02/19
のっち♬
東京から立科の伯父の元に移り住んだ中3少女の成長物語。そこでは牡のバーニーズ・マウンテン・ドッグが家族の一員で、見返りを求めず、愛し、見守り、寄り添うその姿勢は新たな家族の関係にまで波及してゆく。ストーリー自体は親子関係の軋轢や進路問題を扱った青春物であり、少女漫画から採ったような正樹の設定には新境地を感じたり。でもあくまで兄妹の絆で通す点がワルテルの弟ポジションを引き立てている。温かな手料理、地元民との屈託なき交流、自然への感化など著者が愛犬のために長野へ越して生活観が如何に変わったがよく伝わってくる。
2023/10/12
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