平成大家族
平成大家族 / 感想・レビュー
扉のこちら側
初読。引きこもり長男の恋愛だけ、あんまりあっさり進んだ感じはあるが、まとまってよかった。最後にお父さんだけが事情をよくわからずにいる落ちが面白かった。我が家も含め、世の父親とはそんな立ち位置なのかもしれない。
2013/05/05
taiko
父母、祖母、長男、長女一家、次女の8人の大家族。それぞれにいろいろな問題がある。夫が事業に失敗し、自己破産し出戻った長女、不妊が原因で離婚に至った直後に別の人の子を身ごもった次女、ひきこもりの長男、祖母は軽度なようだか認知症を患い、家族のゴタゴタに不満を抱える母、息子との関係修復がままならず我関せずを決め込む父。どこかにありそうな話のオンパレード。しかし、著者の筆にかかれば、クスッと笑える家族小説となり、案外幸せだよねと思わされます。緋田家の未来も明るいものと思える終わり方が良かったです。
2016/07/30
ゆみねこ
元歯科医師の緋田龍太郎は、穏やかで落ち着いた人生を送っていた…。そこへ長女一家が転がり込み、次女も妊娠して戻って来る。家には引きこもりの長男と、認知症の始まった老義母も。それぞれの目線で描かれるこの一家のあれこれ、家族の形は様々だけど、それぞれの落ち着き先も明るいもので読み心地は良かったです。中島さんのこういう文章、好きですね~。
2014/09/16
takaC
面白かった。中島京子、見限ったことはないけど、これ読んで一層見直した。書き方が変だな。一層好きになった。もう文庫落ちしてるんだよねこれ。買うよ買う。今夜にでも買うよ。うっかり『小さいおうち』のことすっかり忘れてたけど今思い出したから読むよ。ASAP で。
2010/12/17
しろいるか
四世代同居の大家族物というと『東京バンドワゴン』を彷彿とさせるが、こちらの緋田家は、リストラ、自己破産、シングルマザー、引きこもり、痴呆老人介護となかなかヘビーだ。それでも家族皆どこか飄々としている。バンドワゴンと違って普段の食事もばらばらだったりするが、その姿がむしろ現代的でリアルだと思った。印象的だったのは、「冬眠明け」の中で克郎とカヤノが夜の公園で鍋焼きうどんを作りながら会話する場面。二人が微笑ましくてかわいい。表紙の杓文字もこの家族らしさが出てて良かった。
2010/11/14
感想・レビューをもっと見る