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はじまらないティータイム

はじまらないティータイム

はじまらないティータイム

作家
原田ひ香
出版社
集英社
発売日
2008-01-05
ISBN
9784087712056
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はじまらないティータイム / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

相変わらずシリアスとブラックユーモアを見事に調和させている作品で、作者さんの「すばる文学賞」受賞作です。冒頭から不穏な空気が伝わる展開から、あらゆる人物の視点で語られる作風は読んでいる側のペースを乱すコトなく、自然と引き込まれます。夫を奪われた女性、妊娠し略奪婚に成功した女性、まじめ一本で生きてきた女性、平凡な結婚生活と普通の主人にどこか小さな不満を抱えている女性など、それぞれのおかれた状況から語られるひとクセもふたクセもあるエピソードはどこか他人事ではない妙なリアリティを感じ、他の作品も気になります。

2015/12/12

なゆ

穏やかそうなタイトルに反して、奇妙な関係とクセのある女達。ひ香さんらしい話といえばそうかもな、すばる文学賞受賞作。え~、どうなっちゃうの的なラストながら、不思議とすっきりした読後感。できちゃった略奪婚の新妻と元妻、その結婚式の出席を渋る親戚のおばちゃんとその娘、という四人が交錯する。なんかもう、ミツエの強引なおせっかいっぷりにも、里美のしたたかすぎる策略にもげんなりするが、佐智子の心の中もよくわからなくて。でも、読み進むと、なんだかみんな憎めなくなってくるというか。こういう女たちを書くのがうまいな。

2016/04/19

Ikutan

さらっと読みやすいひ香さん。何だか不思議な関係の4人の女性。博昭の元妻佐智子、略奪婚で妻になる里美、博昭の従姉の奈都子、奈都子の母、叔母のミツエ。この4人がまた、個性あり、行動力あり、なかなかの曲者。努力?が信条の里美のしたたかさは唖然とさせられ、ミツエのお節介ぶりも呆れちゃう。まともに思えた佐智子の秘密もびっくり。で、どうなるどうなるとハラハラしてたら、あらあら気になるところで..あとは想像しましょうですね。なるほどこのタイトル。ちょっとクセになる不思議な読後感。

2018/02/07

ねむねむあくび♪

図書館にて読了。こんなにどろどろした状況なのに、とても読みやすい。なんてたくましいんだろう…。平凡な4人の女が、皆、どこか歪んでいて、不器用で、自分をもて余している…。目を背けていた事が明るみに出てきたラストは、唐突だが、前向きな予感に満ち、力強かった。

2015/01/28

taiko

夫を略奪された佐智子、その夫博昭のいとこ奈都子、奈都子の母ミツコ、博昭の新しい妻里美、この4人の物語。微妙な関係性の4人が、じわじわと近づいていく。それぞれ、なんだか曲者で、でも、それぞれに思うところがあって、う~ん、女だなと言う感じ。ついに4人が相まみえて、さらに、一番問題の二人佐智子と里美を残して、話が終わってしまうなんて、うーっとなります。初読みの作家さん。読みやすく、女性心理をうまく描いているなと、興味を持ちました。誰に共感するか?が問われているようですが、どうにも誰にも共感はできませんでした。

2015/08/21

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