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九つの、物語

九つの、物語

九つの、物語

作家
橋本紡
出版社
集英社
発売日
2008-03-05
ISBN
9784087712162
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九つの、物語 / 感想・レビュー

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吉野ヶ里

橋本紡も静かな作品を書くんだなあって感じ。ゆっくりとした時間の流れを感じられました。料理が出来る男って超カッコいいですね。パエリア食べたい。人を好きになるのってこんなに綺麗なのかなあ、とか。モテる人間の人生は凄く楽しそうんだなあ、とか。なんかフラストレーションたまったとこもあったんですけど、それも含めてよかったです。あと本読みたくなりますね。『山椒魚』、めっちゃ面白そう。今度、家に帰ったら父に料理を習おうと思います。色んな形で人は過去を連れてゆけるって気がするので。

2015/04/09

七色一味

読破。ある過去を持った妹・ゆきなと、(ネタバレゴメン)幽霊となった兄・禎文を軸に、近・現代文学の作家の作品をモチーフとした、表紙の絵のような素朴な、付き合い始めた男女が、互いの距離をはかるようにおずおずと手を差し伸べるような──表現が、回りくどくてすいません──、もどかしいような、そんな九つの、物語です。心が暖まるんだけど、でもちょこっとほろ苦い、そんな感じのエンディングがいいです。 それにしても兄・禎文の料理が、いかにも男の料理なんだけど、美味しそうです。

2012/01/11

ヒロ@いつも心に太陽を!

ただの短編集かと思って手にしたので、いい意味で裏切られて大好きになった一冊。お兄ちゃんが素敵すぎる・・・!一人っ子の私には決して叶えられない幸せだ。「兄」と彼氏が料理を作ってくれるなんて。あんなにも妹のことを想ってくれるお兄ちゃんがいたなんて。ゆきなの心の危うさはわかる部分が多かったので大いに感情移入してしまい『わかれ道』では泣いてしまった。今日の夜はトマトスパゲティ作りたいな。スパイスたっぷりの!

2011/02/12

ミナコ@灯れ松明の火

9つの小説とごはんを、死んだはずの兄が料理することによってほぐれ、再生されてゆくゆきなの心。確かにつらいことの多い世界ではあるけれど、それでも、ゆきなの世界が美しくあることを望む兄の温かさが突き刺さった。終わりを乗り越え、自らの傷を知ったゆきながこれから見る世界は、きっとビューティフルワールドに違いない。例えそれがどんな汚いものであろうとも。読み終えた後、普通の風景がいつもより少し色鮮やかなものに感じられた。

2012/01/30

紫 綺

初、橋本作品。食べることは生きること。そう感じさせてくれる、やさしい作品。大学生の妹と幽霊のお兄ちゃんの美しい兄弟愛を中心に描かれた連作短編。一編ごとに泉鏡花、太宰治、田山花袋、永井荷風、内田百閒、井伏鱒二、樋口一葉、サリンジャーといった文豪の、名作文学になぞらえたエピソードが出てきて面白い。

2011/11/30

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