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何もかも憂鬱な夜に

何もかも憂鬱な夜に

何もかも憂鬱な夜に

作家
中村文則
出版社
集英社
発売日
2009-03-05
ISBN
9784087712872
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何もかも憂鬱な夜に / 感想・レビュー

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starbro

中村文則全作品読破プロジェクト。本作が16/16ラストの作品、中村文則コンプリートです。初期作品でもあり、タイトルどおり憂鬱でどっぷり暗いストーリーです。殺人、自殺、死刑、死が溢れています。そうは言いながら、かすかな希望が描かれていて好みの作品です。著者は寡作(今年の新作はなし)なので、来年の新作にまた期待したいと思います。個人的には、中村文則に推理小説ではなく幻想小説を書いて欲しいと思っています。

2015/10/30

モルク

施設で育ち刑務官となった主人公。高校時代に自殺した友人真下が送ってきたノート、そこには真下の憂鬱、混沌、性への衝動が溢れていた。主人公も普通ではない精神状態を抱え、真下に、過去に関わる夢にとらわれていた。控訴しなければ死刑が確定する山井とは何か通じるものがある。全体的に陰うつな淀んだ水が流れている。どこかとらえどころがなく混乱する。ただ施設長の言葉に救われる。全体的に掴めなくて、レビューもバラバラ、とらえどころのないものとなった。

2022/02/16

れみ

拘置所の刑務官として二十歳の死刑囚・山井を担当する「僕」が、自分の生い立ちや過去の記憶、影響を受けた大人や友人や恋人との日々を思い起こす…というお話。自分が生きてえうと辛い思いをする人がいる、自分には悩んだり苦しんだりする権利なんてない…という山井の思考は胸に刺さる。もし自分が何かのきっかけで死刑になるような罪を犯してしまったら…と考えると、そんな風に思いつめることも、刑の執行によって命を落とすことも怖くて仕方ない。その恐怖が犯罪抑止につながればいいんだけど…そう簡単なことではないんだろう…。

2019/01/04

おいしゃん

夜になると、消えてなくなりたくなるほど憂鬱になるのは、昔も今も変わらない。その根源は、無力さであり、さまざまな不安である。ひとりっ子で、何でも話せる幼馴染もいなかったので、ひとりで黙々とその闇を抱えて大きくなった。その過程でこの本と出会えていたら、かなり心細さは和らいだのではないか。そう思えて、又吉さんオススメなのも納得な作品だった。

2016/08/29

憂鬱だったから、どこまでも憂鬱になりたくて読みました。読むだけで感じる罪悪感、抱いた事のない感情、未来に保障のないことへの不安。独特な文体と共に様々な感情が一気に押し寄せてきて、私の心を鋭くえぐるように切りつけてきました。何も見えない暗闇での小さな光は、全世界を明るく照らせると思えるほど、大きく、偉大で、そして何より、美しかった。

2014/07/05

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