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ここに消えない会話がある

ここに消えない会話がある

ここに消えない会話がある

作家
山崎ナオコーラ
出版社
集英社
発売日
2009-07-24
ISBN
9784087713053
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ここに消えない会話がある / 感想・レビュー

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とん大西

多分、そうなんだろう。声に出さなくても心の中で生まれる言葉。限りなく不毛なことだったり、悩みの源泉に触れることだったり。そのまま消えていく言葉と放たれる言葉。そんな風にして日常は淡々とすすむ。飄々と、でもどこか鬱屈している広田のモノローグ。自分的大事件はそうそう起こらない。でも繰り返す毎日が平凡であっても平穏ばかりではない。ちょっとのことだけど微妙な心象風景に時として共鳴する。ややもすれば惑わされたかのような読み味だが何故か余韻は清涼感。多分、そうなんだろね。そうやって私達は日々を重ねてんだねぇ、と。

2023/03/12

chimako

「報われる」とはどう言うことなのだろうと思う。「あの一言で、今までの努力が報われました」などと言うのを聞くことがあるが、それは「それで自分は満足です」ということなのか。この物語の主人公たちは報われることに無頓着であると思われる。国立有名大学を出て派遣でテレビ欄を作る仕事をしている広田は、社員の佐々木とは上司の扱いが違うことに気づいている。そういうもんだな、と納得する。アルビノと思われるパン工場に勤める鈴木は好きな人に告白する。好きになってくれとは言わない。表紙は広田が持参する食パンか鈴木の作る食パンか。

2017/04/15

優希

とても優しい気持ちになりました。人との会話が苦手な分、物語での心地よいやりとりに浸ります。人間関係が必要な場において、相手を思いながら言葉を交わす。その空気がたまらなく柔らかい。この人の紡ぎ出す言葉が好きだなと改めて思います。

2017/05/19

zero1

来る人あれば、去る人あり。この世にはいろんな職業があり、その職場では人間関係が発生している。ラジオ・テレビ欄にいた6人の契約社員たちを描く。サービス残業が多いブラックな職場。高校野球での番組変更(後述)については苦労が多いのだろう。この作家はいろいろ試しているが、本書について私は散漫な【習作】にしか思えなかった。だから支持層が狭い。正直、山崎は人間関係や審理を描くのが得意ではないように思える(後述)。芥川賞では落選5回と【万年候補】だが、もうひとつ決め手がほしい。まだチャンスはあるので期待している。

2020/01/19

ぶんこ

とりとめのない日常の一コマ? テレビ番組を作る会社のラテ班の職場風景がメインで、なんとなく流れていく感じでした。 わたしが、働いていた頃は正社員と契約社員が同じ仕事をするというのがなかったので、かなり驚きました。 今はこれが普通なのかな。 日本の将来は大丈夫かなどと考えてしまいました。 ところどころ、ハッとするフレーズがあって、ナオコーラさんの感性が光っていました。

2015/11/08

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