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光媒の花

光媒の花

光媒の花

作家
道尾秀介
出版社
集英社
発売日
2010-03-26
ISBN
9784087713374
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光媒の花 / 感想・レビュー

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kera1019

心の闇に少しずつ光が当たって影が深く浸染していく。物語が進んでいくにつれて、その影が悪とか劣という印象から柔らかくなって、その静かな余韻に震えました… 道尾さんは「隠れ鬼」の出来に手応えを感じ、その後の5編の短編を書き足したって言ってましたが、そんな事全く感じさせられませんでした。6つの短編が一つの輪となってミステリーを超えた世界を作ってて、良い意味で期待を裏切られました。

2014/09/13

がらは℃

僕らは、光を発する花へ飛んで行く。まるで虫のように。その光は、尊く大きな光である事を心から願いたい。花や蝶の切なさや儚さや美しさで気持ちが満たされたなあ。

2010/11/13

しろいるか

1章に出てきた人物が次の章に登場、それがリレー形式で進み最後の6章が1章に繋がりサークルが完成するという作りが楽しい。1章~3章までは未成年者への性的虐待などがあって嫌悪感ばかりが先に立ったが、4章『春の蝶』からあとの3作は、希望が灯るようなほんのりした温かみを感じ、途中で止めなくて良かったw『隠れ鬼』『虫送り』『風媒花』など各章のタイトルも風雅。また、虫や花、光といった自然の描写が美しいと思った。個人的見解だが『月と蟹』よりこちらが直木賞受賞でも良かった気がする。

2012/02/20

紫 綺

光と影に翻弄される人間たちを描く連作短編。導入から重い話が綴られる。後に行くにしたがって、温かく救われる気がした。やはりヒトに限らず生きとし生ける者は光を目指して、希望を見出すよう出来ているのかもしれない。

2015/12/19

ミナコ@灯れ松明の火

犯罪トリックや物語自体の仕掛けに頼らなくてもこんなに面白い!!最初の話で鳥肌がぶわっと立って、「この作品はきっと道尾さんの代表作になる!」と思った。ほの暗い中に光が天使の梯子のように差し込む様子が心に浮かんだ。「もう終わりだ」と思っていた人たちが、それでも肯定的に人生を乗り越えて行くのを見るのはやはり励みになる。こんな作品を読めて、「楽しい」よりも「幸せ」だと感じる。人は皆、光媒の花だ。

2010/08/31

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